「なぜ私はいつも同じ過ちを繰り返すのだろう?」「なぜいつも同じような嫌な体験をするのだろう?」 そんなあなたの悩みの根源は、無意識のうちに形成された「ビリーフ(思い込み)」かもしれません。
この記事を読むことで、ビリーフがどのように形成され、どのようにしてそれを手放すことができるのか、その具体的な方法などを知ることができます。
私はこの5年、カウンセリングやセラピーのセッションやコンサルを通して、300名以上のクライアントさんと接してきました。その中で、ビリーフを扱わないことはほとんどありません。それくらい、人の悩みやストレスの根源になっているものがビリーフだと言えます。
しかし、ビリーフは、成長過程であなたに入ってしまった「考え」なので、取り出すことが可能です。では、どのようにビリーフと向き合い、手放していくのか?
ぜひ最後まで読んでください。
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ビリーフとは?
まずは、ビリーフとは何なのかを見ていきましょう。
ポイントは、2つです。
- ビリーフとは?
- ビリーフは無意識であり、プログラムである
では、詳しく解説します。
ビリーフとは?
ビリーフとは、以下のようなものです。
無意識のレベルで深く根付いた「思い込み」「信じ込み」「考え」のことです。
- 自分自身の存在を定義し、
- 世界や他の人、物事を定義し、
- それに基づいて行動を促したり、制約を与えたりします
ビリーフは、私たちの思考のプログラムの一部です。
ビリーフは無意識であり、プログラムである
ビリーフは、私たちの無意識のレベルから発生するプログラムです。私たちの思考や行動を制約し、コントロールします。これは、深く根付いた「思い込み」「信じ込み」「考え」であり、自分自身の存在や世界、他の人や物事を定義する役割を果たします。
ビリーフは無意識的であるため、私たちは気づかずにそれに従い、当たり前のように行動します。これが自分自身だと思い込んでいるため、疑いもしないのです。そして、その結果として、同じパターンを繰り返し、同じように傷つくことをしてしまいます。
もし人生で何度も同じような現実を引き寄せ、同じような結果になっているのであれば、それはビリーフによるプログラムが発動している可能性があります。
たとえば・・・
- いつも同じようなタイプの人が周りに現れ、関わり方に苦労する
- いつも同じようなタイプの人の言動に、感情がざわつく
- 恋愛関係で同じようなパターンを繰り返してしまう
- いつも同じような失敗をする
- いつも同じような状況で、同じような行動をとってしまうことがある
- 毎度おなじみの「嫌な感情」が現れる
- わかっているのに、ついやってしまう行動パターンがある・・・
など
そして、ビリーフとは
- 入ってしまった「思考のプログラム」
- 「自分自身」ではない(本当の自分ではない)
- 入っているものは、取り出せるし、手放せる
- つまり【インストール ⇄ アンインストール】が可能
と考えるのが、ビリーフの扱い方の特徴です。
ビリーフが形成される過程
次に、ビリーフが形成される過程を見ていきましょう。
ポイントは、2つです。
- ビリーフは3歳までにベースがつくられる
- ビリーフは悪者?
では、詳しく解説します。
ビリーフは3歳までにベースがつくられる
人間の潜在意識は、胎児から8歳くらいの時期まで、特に3歳になる前に形成されたビリーフ(思い込み)がベースになっています。この思い込みと共に傷ついた感情を「インナーチャイルド」と表現します。
生まれた時は、誰でも「自分は大切にされて当然だ」「お世話をしてもらって当然だ」「愛されて当然だ」という考えを持っています。これは全ての人に共通です。
例えば、「お世話をしてもらって当然だ」と思っている赤ちゃんは、お世話を必要とする時に泣くという反応を示します。しかし、泣いているにもかかわらず、お母さんがすぐに対応できず、イライラした態度で接することが何度も続くと、赤ちゃんは「自分は大切にされていない」と感じ、「私の存在は迷惑だ」「私は拒絶される」「私は見捨てられる」と思い込んでしまいます。
こうした思い込みが少しずつ定着していくことで、ビリーフが形成されていきます。
ビリーフは悪者?
ビリーフとは、全てが悪いわけではありません。私たちは必要に応じて「思い込み」を持ちます。これは成長の過程で役立つ側面もあります。
たとえば、「見捨てられる」という思い込みによって、親に頼らずに自立しようとしたり、自分でできることは自分でやろうと努力したりすることで、成長に繋がります。
しかし、この思い込み、いわゆるビリーフを、大人になってもう必要がなくなったのに、ずっと無意識レベルに残り続けます。
問題は、これらのビリーフが大人になった私たちにも制限を課したり、自信を損ねさせたり、不要な思い込みを抱かせたりすることで、ストレスや悩み、苦しみの原因となっていることです。
子供から大人へと成長するにつれて、ビリーフはメリットよりもデメリットがはるかに多くなります。しかし、私たちの潜在意識はそれに気づいていないのです。
ビリーフが生まれる様々なケース
ビリーフが生まれる様々なケースをご紹介します。ビリーフが生まれるケースは、多岐にわたりますが、ここでは3つご紹介します。
- ビリーフ「私は否定される」
- ビリーフ「私は見捨てられる」
- ビリーフ「私は生きてちゃダメなんじゃないか/捨てられるかもしれない」
では、詳しく解説します。
ビリーフ「私は否定される」
たとえば、幼いとき、突拍子もない行動をとる(急に車道に飛び出す、高い物によじ登るなど)のを、親が「危ないからやめさない!」と静止しようとしたのを、「いつも邪魔される」「いつも否定される(わかってもらえない)」と受け取る場合があります。
こういったビリーフを持っていると、「わかってもらえない」失望を味わわないように、人に期待しなかったり、はじめから深く関わらないことを選択しがちです。
また逆に、「わかってもらえない」からこそ「わかってもらおう」と、必要以上に完璧を求めたり、一人でなんでもやって頑張ろうとします。過剰な自立が心のエンジンとなっているため、結果的に燃え尽きたり、心の消耗につながる傾向にあります。
ビリーフ「私は見捨てられる」
親に何か事情があり、ご近所やよその人に預けられる経験から、「捨てられる」と勘違いする場合があります。
また、公園などで、自分から見えていない所から親はしっかり見守っているにも関わらず、「いつもほったらかしにされる」と思い込む場合があります。
こういったビリーフを持っていると、「見捨てられる」悲しさを味わわないよう、人にあまり近づこうとしないように行動します。
また逆に、「見捨てられない」ように、本当の気持ちを表現しなかったり、役に立たないと、と必要以上に人に尽くしたりします。自己犠牲が心のエンジンになっているため、自分のニーズ、本当に自分がやりたいことがわからなくなり、生きる気力を失っていくことがあります。
ビリーフ「私は生きてちゃダメなんじゃないか/捨てられるかもしれない」
出生児に、難産や予定外出産などで生まれた場合、処置の対応をする医者やスタッフが深刻な様子で対処するのを感じて、「自分がここに存在することはダメなことらしい」と感じるケースもあります。
また、保育器の中で見守られていることを、放置されていると感じて、「捨てられたんじゃないか」という不安を持ちビリーフにつながるケースもあります。
これらはほんの一例であり、このほかにも、「この世界は生きることが難しいようだ」「人から嫌がられている」「私がいることは何か異常なことみたいだ」などといったビリーフがつくられます。
ビリーフの種類
私たち人間は、思考を通じて生活しているため、あらゆることを「思い込み」として処理しています。この観点から、「すべてはビリーフ」と言えるでしょう。
特に、私たちのチャレンジや前に進みたい気持ちを妨げたり、ストレスの原因となったりするビリーフを、以下のような種類に分類することがあります。
ちなみに、僕が修行時代にビリーフについて教えていただいたのは、ビリーフリセットの大塚あや子先生です。そのときに教えていただいたビリーフの4つの種類を紹介します。
- ジャッジメント・ビリーフ
- 世界観ビリーフ
- コア・ビリーフ
- コーピング・ビリーフ
では、詳しく解説します。
ジャッジメント・ビリーフ
【性質】
特定の他人に対する要求、期待、願望、判断、ジャッジ、決めつけ
他人を不当で理不尽な存在に思わせる
・〇〇(相手)は△△してくれない
・〇〇に△△してほしい
・〇〇は△△してほしい
・〇〇は△△するべきだ
【ビリーフができる理由・背景】
・願望、ニーズ
・自己責任回避
・依存
・他人の領域侵入
・シャドーの投影
【特徴】
「人間関係のストレス」といわれるものはほとんどが、このジャッジメントビリーフです。イライラや怒りという比較的認識しやすい感情をもとにあらわれるビリーフなので、意識しやすくキャッチしやすいです。また、「どうしても事実としか思えない」と解釈しているので、本人自身がこれがビリーフだと受け入れ難い傾向にあるのも事実です。
世界観ビリーフ
【性質】
世界観・人間観の定義
この世の真実とはそういうものだ、と思わせる
・世界(世間、人間、人生、お金、男、女、お金、愛、幸せ、など)とは〇〇だ
【ビリーフができる理由・背景】
・親の価値観の刷り込み
・マスコミやメディア、世相からの刷り込み
【特徴】
自分の自然な価値観になっているので、「絶対そうだ!」と、真実としか思えないのが特徴です。
コア・ビリーフ
【性質】
否定的な自己イメージ、自己定義
自分を小さく悪く無力な存在に思わせる
・私は〇〇だ
・私は〇〇される
・私は〇〇〜ない
【ビリーフができる理由・背景】
・過去の傷
・三つ子の誤解
・集合無意識
【特徴】
「劣等感、自分についての悩み」といわれるほとんどが、このコア・ビリーフです。無意識下にあり、ほとんど自分ではキャッチできません。カウンセラーやセラピストでも、自分自身のコア・ビリーフと向き合う際は、プロにお願いすることがほとんどです。
コーピング・ビリーフ
【性質】
生き残るためのルール、安全なやり方
世界を恐ろしい場所に思わせる
・〇〇すると△△される
・〇〇したら△△になってしまう
・〇〇ためには△△しなければならない、△△してはならない
【ビリーフができる理由・背景】
・コア・ビリーフに基づくコーピング(対策)になっている
・安全、所属、承認、成長の欲求を満たすための対策
【特徴】
「なぜかそうしてしまう、そうなってしまう」自己制限のほとんどが、このコーピング・ビリーフです。自分が傷つく恐怖を避けるために必要とした考えです。そして、その人独自の行動様式と結びつき、自然な生き方になっています。「〜すべき」「〜せねば」などで、このビリーフが現れます。
なぜ人はビリーフを持つのか?
こんなにもあなたを苦しめて、やりたいこともできなくさせるビリーフ。「ビリーフって何のために存在するの?いらないじゃん!」と思いたくなるでしょう。
では、なぜ人はビリーフを持つようになるのでしょうか?
ビリーフは自分の命を守ってくれる
まずは、命を守るため、というのが一番大きな理由です。否定的なビリーフをもち、不安や恐れを抱えたり、無力や無価値だと思い込むことで、無謀なことに挑まないようになるし、対策などをあらかじめ取ることで危険を避けることができます。そうやって先祖たちが生き延びてきたおかげで、今の僕たちがあります。
しかし時代は進み、文明も発展しました。獣に襲われたり、敵から襲撃を受けることは、特に日本で生きている上ではほぼ皆無です。不要なビリーフは、手放した方が、自分のためになることがほとんどです。
今の時代でも、人間の成長過程で自立するために必要だからと、片付けることもできます。だったら、「大人になったら自然とビリーフが健全になるような仕組み」を、進化とともになぜ人間は身につけてこなかったのだろう?と疑問を抱き、カウンセリングを続けてきた結果、僕が個人的にたどり着いた答えがあります。
それは・・・
幸せや愛の歓びを味わうために生まれてきた
なせ人はビリーフを持つのか?
それは、【幸せや愛の歓びを味わうため】だと思っています。
では、僕の解釈をくわしく説明します。
生まれてくる前の世界は、どうやら、すべてが愛の世界らしいのです。この世界のことを分野によって、大いなる意識・ソース(源)、ハイヤーセルフ、純粋意識などと表現されています。
すべてが愛。つまり愛しかない世界だと、愛がどれだけ素晴らしいものか、愛ってどれだけ温かいものなのかがわかりません。愛がどれだけ素晴らしいものなのかを体験するためには、比較するものが必要になります。
そこで、二元性があるこの地球に生まれてきます。二元性とは、2つの側面を持つことを言います。表と裏、光と闇、陰と陽、白と黒、善と悪、損か得か、ポジティブとネガティブ、生と死など。
悲しみを知ることで、はじめて、喜びを知ることができます。
不幸を知ることで、はじめて、幸せを知ることができます。
憎しみを知ることで、はじめて、愛を知ることができます。
ビリーフという、心の檻のようなものをつくり、一度【陰】に触れることで、その対極にある【陽】を体験しているんじゃないかと。
「私にはどうせできない」と無力を経験しているならば、できた時のパワフルさを味わうために生まれてきたのかもしれません。
「私はダメな人間だ」と罪悪感を経験しているならば、ゆるされている心地を味わうために生まれてきたのかもしれません。
何を味わいたいか、経験したいかは、人それぞれ違うものを持っていて、ユニークなものです。
だから、ビリーフをなぜ人は持つのかと聞かれたら、それは、【幸せや愛の歓びを味わうため】です、とこたえています。
ビリーフを見つけて手放す方法6ステップ
ビリーフの種類でお伝えした4つのうち、コアビリーフ(否定的な自己定義)が親玉です。「コア」って言うくらいなので。そのため、コアビリーフを手放していく方法をご紹介したいのですが、ちょっと難しいので、ジャッジメントビリーフを手放していく方法をご紹介します。ここでは、セルフでできる方法をお伝えするので、ぜひチャレンジしてみてください。
復習になりますが、ビリーフは、入ってしまった思考のプログラムです。そのため、入っているものは取り出せるし、手放せます。
手順は、以下の通りです。
- 人間関係がうまくいっていない人を一人選ぶ
- ジャッジする
- 定義化する
- 疑ってみる
- 反対の意味に置き換える
- その証拠を挙げる
では、詳細を説明します。
脳はセットした考えの証拠探しをする
前提:脳は、ある「考え」を一度もつと、自動的にその証拠を集める働きをする
手順を説明する前に、まずは前提としてお伝えしたいことがあります。それは、「脳は、一度セットした【考え】の証拠探しをする」ということです。
脳は、ある「考え」を一度もつと、自動的にその証拠を集める働きをします。
たとえば、「夫は役立たずだ」と脳にセットすると、夫がお皿を片付けても拭き残しに目がいくし、洗濯してもシワを伸ばせてない箇所に目が行きます。これらはすべて「夫は役立たずである証拠」としてカウントされます。「ほら、やっぱり」といった具合です。そうやって「役に立たない」ことが実証されて、その人にとって夫が役に立たないことが「現実」としてあらわれます。
お待たせしました。では、ジャッジメントビリーフを一緒に手放していきましょう。
1.人間関係がうまくいっていない人を一人選ぶ
ステップ1:人間関係がうまくいっていない人を一人決める
まず、人間関係がうまくいっていない人を一人選びましょう。夫や妻、会社の上司や先輩、お友だちなどなど。その人のことを考えるだけでも反応が起きるような人を選ぶといいでしょう。どんなネガティブな反応でもいいのですが、怒りやイライラの反応を起こす人を選ぶと、自分の反応をキャッチしやすくてわかりやすいです。
2.ジャッジする
ステップ2:思いっきりジャッジする
次に、その選んだ人に対して、思いっきりジャッジしてみてください。目の前に本人がいるわけではないので、お構いなく安心してジャッジしてみてください。
たとえば、「自分勝手なこと言ってんじゃねーよ!」「愚痴ってばっかで、こっちまで萎えんだよ!」「人の話きけよ!」「男の前で良い顔ばっかしてんじゃねーよ!」、こんな感じです。
この時、「人のことを、そんなにひどく言っちゃダメ」と思うかもしれませんが、自分にこれから訪れる気づきのために、そこをグッと乗り越えましょう。
3.定義化する
ステップ3:「(相手)は、(ジャッジ)だ」の形にする
ジャッジした言葉を、このように定義化します。
「(相手)は、(ジャッジ)だ」
にします。
たとえば、
「自分勝手なこと言ってんじゃねーよ!」であれば
⇒ 例)上司は、自分勝手だ
「愚痴ってばっかで、こっちまで萎えんだよ!」であれば
⇒ 例)山田さんは、愚痴ってばかりで私を萎えさせる人だ
「人の話きけよ!」であれば、
⇒ 例)夫は、私の話をいつも聞かない人だ
「男の前で良い顔ばっかしてんじゃねーよ!」であれば、
⇒ 例)花子は、あざとい人だ
このように定義化します。そしてノートや手帳などにメモしておきましょう。
できましたか?
4.疑ってみる
ステップ4-①:「(相手)は、(ジャッジ)だ」に『と考えている』を付け加える
ビリーフは、思い込み・考えでしたよね。
なので定義化したジャッジに、「と考えている」と付け加えてください。
たとえば、
「上司は、自分勝手だ」と考えている
「山田さんは、愚痴ってばかりで私を萎えさせる人だ」と考えている
「夫は、私の話をいつも聞かない人だ」と考えている
「花子は、あざとい人だ」と考えている
続けて、このように自分の心に聞いてみてください。
ステップ4-②:「この考えって、100%本当なのかな?」と自問自答する
「この考えって、100%本当なのかな?」
このように、あなたの考え、つまりビリーフを疑ってみてください。
続けると、このようになります。
例)
私は「上司は、自分勝手だ」と考えている。
この考えって、100%本当なのかな?
あなたの答えは、Yes でも No でもどちらでもOKです。
高い確率でその答えは「うん、本当だ!」となるでしょう。先ほど伝えた通り、これまでこの考えを持ち、証拠を集めてきたからです。
ここでは、一度考えに対して「揺さぶり」をかけてみたことに意味があります。
5.反対の意味に置き換える
ステップ5:反対の意味に置き換える
ちょっと心がざわつくかもしれませんが、あなたのビリーフを、逆の意味に置き換えてみましょう。
たとえば、
「上司は、自分勝手だ」
⇒ 例)上司は、思いやりがある人だ
「山田さんは、愚痴ってばかりで私を萎えさせる人だ」
⇒ 例)山田さんは、肯定的で私を元気にしてくれる人だ
「夫は、私の話をいつも聞かない人だ」
⇒ 例)夫は、私の話をいつも聞いてくれる人だ
「花子は、あざとい人だ」
⇒ 例)花子は、素直でまっすぐな人だ
6.その証拠を挙げる
ステップ6:反対の意味に対する証拠を5個挙げる
反対の意味にした考えに対して、その証拠(理由)を最低でも5個挙げてみましょう。「なぜならば」「なんでかと言うと」のような言葉に続けると、証拠が挙げやすくなります。
たとえば、
「上司は、思いやりがある人だ」
なぜならば
・プロジェクトが終わったら毎回食事に連れて行ってくれるから
・仕事がしやすい環境をつくってくれるから
・忙しそうだったら仕事の量を調整してくれるから
などなど
5個挙げられたら充分です。
ついさっきまでは、「上司は、自分勝手な人だ!」って息巻いて、「うん、本当にそうだ!」とまで言っていたあなたが、「自分勝手なところもあるけど、思いやりもあるよね」と、上司のもう一つの側面を確認することができなたらば、今回のビリーフの手放しは成功です!!
セルフでできるビリーフを手放す方法をご紹介しました。これでも充分、囚われや執着から解放できることがあります。しかし、この方法は、応急処置みたいなものです。ラーメンで言うインスタントみたいなものです。最終的にはプロの手を借りて、ごっそりビリーフを手放していくことをお勧めします。
【図解】ビリーフを手放すプロセスを解説
先ほど説明した通り、脳は、ある「考え」を一度もつと、自動的にその証拠を集める働きをします。たとえば、「上司は、自分勝手な人だ」という考えをもつと、「忙しいのにさっさと帰るし、勝手に会議入れるし」といった感じです。
僕たちは「二元性」の世界を生きています。そのため本質は、物事は常に中立であるということです。つまり、「上司は、自分勝手なところもあるし、でも、思いやりもある」という考えが、中立な考えです。健全ですよね。
しかしビリーフによって、「自分勝手なところ」に考えを執着させてしまいます。思いやりがあるなんて考えつきもしません。
なので、上司が自分勝手なのではなく、あなたのビリーフが「上司が自分勝手だ」と思わせているのです。当然だ、100%そうだと思わせます。
そこに、『「上司は、自分勝手だ」と考えている』と、これは自分の中にある考えとして取り出すことで、これまで「そうだ!」と考えていた渦中から抜け出します。考えの中にいたのを、手のひらに考えを置いたイメージです。
「本当にそうなの?」の疑問を投げかけることで、「ひょっとしたら別の一面もあるかもしれない」と、探究の入り口に立ちます。
そして、反対の意味に置き換え、その証拠を探してみることで、「自分勝手だ」と100%思い込んでいた状態から、「思いやりもあるよね」と中立に向かっていきます。
ここまでくると、これまで上司に感じていたストレスは、かなり減ってきます。
こうなってくると、これまで以上に、上司と建設的なコミュニケーションがとれるようになり、チームで成果を上げやすくやったり、新しいものを生み出したりと、あなたの未来も切り拓けていくのではないでしょうか。
ビリーフを手放すとどうなるのか?
ビリーフの手放しによって、どのように自己変容するのでしょうか?
それは、抱えているビリーフによって、どう変容するかは様々です。
ビリーフの手放しによる変容は多岐にわたりますが、ここでは一部をご紹介します。
- 自己実現が加速するようになる
- これまでになかったチャンスに恵まれるようになる
- 新しいことにチャレンジできるようになる
- 人間関係で抱えるストレスが激減する
自己実現が加速するようになる
やはり一番は、自分の中で信じていることと、やりたいと思っていることが一致するため、自己実現や願望実現が異常な速さで加速します。
たとえば、「素敵なパートナーと出会いたい」と思っていても、「私はそれに値しない」というビリーフがあれば、望むようなパートナーはあなたの現実の中に出てくることはできません。
素敵なパートナーという現実をつくりたいのならば、「素敵なパートナーと出会いたい」という願望と「私はそれに値する」というビリーフが一致している必要があります。
また、「お金持ちになりたい」と思っていても、「どうせ稼げないし・・・」というビリーフがあれば、望むような収入を得ることはできません。
「お金持ちになる」という願望と、「わたしは稼げる」「私は金持ちに値する」というビリーフが一致している必要があります。
これまでになかったチャンスに恵まれるようになる
また、ビリーフに基づいて、日々無意識に選択して行動しています。ビリーフを手放すことで、無意識に選択するものが変わり、行動が変わるため、これまで出会わなかった人や、これまでとは違う機会やチャンスに恵まれることはよくあることです。
新しいことにチャレンジできるようになる
恐れや心配、不安などは、そのほとんどが幻想です。その幻想を信じ込ませているものも、ビリーフです。ビリーフを手放していくことで、恐れ・不安・心配が激減するため、新しい行動ができるようになったりチャレンジできるようになります。そのため、自信が持てるようになり、自己効力感がアップしていきます。
人間関係で抱えるストレスが激減する
ジャッジメントビリーフの手順でやってきたように、人には、ポジティブな面もネガティブな面も両方あることに気づけるようになるため、これまで以上に偏ったジャッジをしなくなります。人間関係のストレスは激減するでしょう。そのことで、相手とさらに健全なコミュニケーションが図れるようになるため、世界がグンと広がるような経験をする人が多いです。
まとめ
今回は、ビリーフについて初心者の方になるべくわかりやすいようにまとめてみました。
特に、今回取り扱った「ビリーフを見つけて手放す方法」は、プロのカウンセラーやセラピストが提供するセッションに比べると、ほんの触りの部分です。ジャッジメントビリーフは、相手をどうジャッジしているかという話でしたが、実は、自分が自分をどうジャッジしているかも同時にわかり、大きな気づきが起こり変容につながっていきます。
しかし、今回の記事で、ビリーフはどのようなもので、どう取り扱えばいいのかを少し知っていただき、心理の世界に興味をもっていただけたらうれしいです。
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