今回は、9つあるインナーチャイルドのタイプの1つ、【ディスペンデンスパーソン】についての記事です。「なぜ私はいつも誰かに頼ってしまうのだろう?」「どうして自分の気持ちをうまく伝えられないのか?」こんな疑問を抱いたことはありませんか?依存症を持つ親のもとで育った経験が、知らず知らずのうちにあなたの行動パターンに影響を与えているかもしれません。
「ディスペンデンスパーソンってどんな特徴があるんだろう?」「ディスペンデンスパーソンの行動パターンが知りたい」
このような疑問に答えていきます。
★この記事の内容は・・・
- ディスペンデンスパーソンとは何かがわかるようになります
- ディスペンデンスパーソンの形成過程がわかるようになります
- ディスペンデンスパーソンの行動パターンがわかるようになります
心理セラピストとして、これまでに1000人以上のインナーチャイルドを癒してきた私が、詳しく解説します。最後まで読んでいただけるとうれしいです。
ディスペンデンスパーソン:依存症の親を持つ子供の苦しみと克服
まずは、インナーチャイルドのディスペンデンスパーソンタイプについて、そして、その形成過程と具体的な特徴を見ていきましょう。
ディスペンデンスパーソンとは?
依存症を持つ親に育てられた可能性のあるインナーチャイルドです。
具体的には、親がアルコール依存症やギャンブル依存症などを抱えている環境で育った子供が、知らず知らずのうちに親の行動パターンを学習し、自身も依存しやすい傾向を持つようになることを指します。
ディスペンデンスパーソンは、イヤなことがあっても、親がアルコールやギャンブルに逃げることで問題を解決しようとする姿を目撃することで、無意識のうちにその行動パターンを学習してしまうのです。
ディスペンデンスパーソンの形成過程
アルコール依存症の親を持つ子供は、嫌なことがあった時にアルコールを飲むことで気が紛れるということを、直接教えられなくても、親の行動を見て学習し、大人になって同様の問題に直面した際に、無意識にアルコールに依存してしまう可能性があります。
重要なのは、ディスペンデンスパーソンは、親の行動を意図的に真似ようとしているわけではないということです。
彼らは、幼少期に最も身近な存在であった親の行動を、無意識のうちに「正しい対処法」として受け入れてしまっているのです。
そのため、ディスペンデンスパーソンは、自分では気づかないうちに依存症に陥ってしまうリスクが高いと言えるでしょう。
また、このような環境下で育つ子どもたちは、自分の感情を抑圧し、「良い子」を演じることで、親の機嫌を損ねないように振る舞うことを学習します。
ディスペンデンスパーソンの特徴
ディスペンデンスパーソンは、大人になってからも、以下のような特徴に悩まされることがあります。
人間関係の困難さ
相手に過度に依存したり、逆に距離を取ろうとしたり、不安定な人間関係を築きがちです。幼少期に親との間で、心を通わせたコミュニケーションを経験する機会が少なかったことが影響しています。
自己肯定感の低さ
自分自身の価値を見出すことができず、常に自信を持てない傾向があります。 依存症を持つ親は、自身の抱える問題に精一杯で、子どもに十分な愛情や関心を注ぐことが難しいことがあります。そのため、子どもは自分が愛されている、大切にされているという実感が得られず、自己肯定感が育ちにくくなります。
共依存
相手の問題行動を引き受けてしまったり、相手に依存することで自分の存在意義を見出そうとしたりする傾向があります。自己肯定感の低さから、自分自身に価値を見出すことが難しく、他人からの承認によって自分の存在意義を認めようとする傾向があります。
ディスペンデンスパーソンの行動パターン:具体例
ディスペンデンスパーソンは、幼少期に依存症を持つ親の影響を受けて形成された行動パターンを示すことが多く、人間関係や日常生活で困難を抱えることがあります。
ここでは、ディスペンデンスパーソンにみられる代表的な行動パターンを、具体例を交えて5つご紹介します。
1. 問題からの逃避
困難な状況に直面した際に、それを解決しようとせず、アルコール、ギャンブル、過剰な仕事など、他のものに逃げることで、不安やストレスを解消しようとします。
例)
◉恋人と喧嘩をした後、話し合って解決する代わりに、お酒を飲んで忘れようとする。
◉仕事で大きなミスをしてしまった時、責任を負うことから逃げるために、体調不良を理由に休暇を取ってしまう。
◉友人との約束をキャンセルし、代わりに家でネットサーフィンやゲームに熱中することで、現実逃避をする。
2. 過度な依存
特定の人物や物事に極端に依存し、そこから安心感や安定を得ようとします。 依存対象は、恋人、友人、家族、趣味、仕事など様々です。
例)
◉常に誰かと一緒にいないと不安で、一人で過ごすことを極端に恐れる。
◉自分の意見や意思決定を相手に委ね、相手に依存してばかりいる。
◉特定の趣味や活動に没頭することで、現実のストレスや問題から目を背けようとする。
3. 自己主張の不足
自分の意見や気持ちをはっきりと言えず、相手に合わせたり、我慢したりすることが多くなります。
例)
◉本当は嫌だと感じている誘いにも、断ることができずに無理をしてしまう。
◉自分の意見を主張することができず、いつも相手の意見に流されてしまう。
◉言いたいことがあっても、相手に嫌われることを恐れて、我慢してしまう。
4. 相手をコントロールしようとする
不安や恐怖心から、相手を自分の思い通りにコントロールしようとすることがあります。
例)
◉恋人や友人の行動を常に監視し、束縛しようとする。
◉自分の意見を押し付け、相手が自分の期待通りに行動しないと怒ったり、責めたりする。
◉相手を操るために、嘘をついたり、罪悪感を抱かせたりする。
5. 自己肯定感の低さ
自分自身に価値を見出すことが難しく、常に自信がなく、自己否定的な発言や行動が目立ちます。
例)
◉褒められても、素直に受け取ることができず、「そんなことない」「自分なんて」と否定してしまう。
◉失敗を極端に恐れ、新しいことに挑戦することから逃げてしまう。
◉他人と自分を比較してしまい、劣等感を抱きやすい。
これらの行動パターンは、ディスペンデンスパーソンが無意識に身につけてしまったものであり、彼ら自身も苦しんでいる場合が多いです。 大切なことは、彼らを責めるのではなく、彼らの抱える苦しみを理解し、適切なサポートを提供することです。
さいごに
ディスペンデンスパーソンは、決して特別な存在ではありません。幼少期の経験によって、誰しもが心の傷を抱えている可能性があります。
もし、あなたがディスペンデンスパーソンの特徴に当てはまり、生きづらさを感じているのであれば、一人で抱え込まず、信頼できる人に相談したり、専門家のサポートを受けることを検討してみてください。