今回は、「ちゃんとしなきゃ!」の心理について解説します。「ちゃんとしなきゃ」「完璧にやらなきゃ」。そんな言葉が頭の中でぐるぐる回っていませんか?毎日を必死に生きているのに、なぜか満たされない。頑張れば頑張るほど、むしろ苦しくなる。そんな経験はありませんか?あなたは「ちゃんと病」にかかっているかもしれません。

「ちゃんとしなきゃ!、の心理ってどんな状態なんだろう?」「ちゃんとしなきゃ!、と思う原因が知りたい」「完璧主義的な傾向を改善したい」

このような疑問に答えていきます。

★この記事の内容は・・・

  • 「ちゃんとしなきゃ」の心理状態がわかるようになります
  • 「ちゃんとしなきゃ」の状態になる理由がわかるようになります
  • 「ちゃんとしなきゃ」のストレスから解放されるようになります

心理セラピストとして、これまでに1000人以上のクライアントをサポートし、人一倍完璧主義で苦労した私が「ちゃんとしなきゃ」から解放される方法を解説します。

「ちゃんとしなきゃ!」の心理:【ちゃんと病】を治す方法

「ちゃんとしなきゃ!」の心理:【チャントの呪い】を解く方法

「ちゃんとしなきゃ!」といつも囚われを、私は「チャントの呪い」と表現しています。

まず、「ちゃんとしなきゃ」とはどんな心理状態なのか。そして、そうなってしまう原因について解説していきます。

「ちゃんと病」とは?

「ちゃんと病」とは、「~しなければならない」「~すべきだ」といった、自分自身に課した「条件」に縛られ、苦しんでいる状のことを指します。

まるで呪いにかかっているような状態なので、時に私はこの状態を「チャントの呪い」と表現しています。

「ちゃんと病」の典型的な例として、「痩せたら幸せになれる」「お金があれば安心できる」「人に認められれば自分の価値がある」といった条件を設定し、それを満たそうと躍起になるあまり、本来の自分を見失い、苦しんでいる状態を挙げています。

つまり・・・

「痩せたら幸せになれる、だから “ちゃんと” しなきゃ!
「お金があれば安心できる、だから “ちゃんと” しなきゃ!
「人に認められれば自分の価値がある、だから “ちゃんと” しなきゃ!

という状態です。

この病にかかっている人は、「条件」を満たせない自分を責め、自己肯定感が低くなりがちです。 また、「条件」を満たすことに必死になるあまり、周囲の人との摩擦を生んだり、人間関係に問題を抱えることもあります。

さらに、「ちゃんと病」にかかっている人は、「条件」を満たすことばかりに意識が向き、「今、ここ」を楽しむことができなくなっている状態とも言えるでしょう。

「ちゃんと病」は、幼い頃からの環境や経験によって形成されることが多いと指摘しています。 たとえば、親から「良い子でいなさい」「頑張りなさい」と繰り返し言われて育った結果、「ちゃんとしなければいけない」という強迫観念を持つようになります。

なぜ、「ちゃんと病」にかかるのか、もう少し詳しく解説しましょう。

なぜ人は「ちゃんと病」にかかるのか?

人は、「ちゃんと病」になることで、多くの利益を得ているため、なかなか抜け出せないのです。「ちゃんと病」にかかっている人は、 一見、真面目で努力家に見えますが、その根っこには、「ちゃんとできない自分は価値がない」という思い込みが存在します。

「ちゃんと病」にかかっている人は、「ちゃんと」することで、周囲から認められ、存在価値を証明しようとしています。 そして、この「ちゃんと」という条件を満たすために、自分のやりたいことを犠牲にしたり、過剰なプレッシャーの中で生きています。

しかし、この「ちゃんと」という条件は、実は幻想に過ぎません。なぜなら、人の価値は、「ちゃんと」できるかどうかにかかわらず、その人が存在するだけで、すでに認められているからです。

後述しますが、「ちゃんと病」から抜け出すためには、この幻想に気づくことが必要です。「ちゃんと」できない自分を責めるのではなく、「ありのままの自分」を受け入れることで、心の状態が自然体になり、人生は好転していきます。

「ちゃんと病」メリットとデメリット

「チャントの呪い」メリットとデメリット

先ほど言った通り、多くの利益を得ているため、「ちゃんと病」から抜け出せません。ではその利益、メリットと、デメリットも一緒にみていきましょう。

メリット

1.存在価値の証明
周囲から認められ、存在価値を証明しようとしています。「ちゃんと」することで、周囲から評価され、自分の居場所を確保しようとする心理が働きます。

2.リスク回避
自分が傷つくことを恐れています。「ちゃんと」できない自分を認めたくないという思いから、新しいことに挑戦することを避け、傷つくリスクを回避しようとします。

3.卑下して安心感を得る
自虐ネタを癒しとしています。「自分はダメだ」「できない」と自分を卑下することで、逆に安心感を得ようとする傾向があります。

デメリット

1.過剰なプレッシャー
過剰なプレッシャーの中で生きています。常に「ちゃんとしなければいけない」という強迫観念に駆られ、心に余裕がなく、疲弊しやすくなります。

2.自己犠牲
自分のやりたいことを犠牲にしています。「ちゃんと」することを優先するあまり、自分の本当の気持ちや希望を無視し、結果的に不満やストレスをため込んでしまいます。

3.人間関係のトラブル
「ちゃんと病」にかかっている人は、人間関係でトラブルを起こしやすいです。 自分の価値観を相手に押し付けたり、逆に相手の言動に過剰に反応したりすることで、摩擦が生じやすくなります。

「ちゃんと病」は、本人にとって多くのメリットがあるために、なかなか抜け出せないことがわかります。 しかし、同時に、人生における様々な場面で、デメリットをもたらすこともわかりますね。

「ちゃんと病」から抜け出す方法

「チャントの呪い」から抜け出す方法

「ちゃんと病」から抜け出すための具体的な方法を解説します。

「ちゃんと病」から抜け出すためには、以下の3つのステップを踏むことを試してください。

1. 「条件」に気づく

まず、自分がどんな「条件」に縛られているのかを自覚することが重要です。

日常生活の中で、どんな時に「~しなければならない」「~すべきだ」と感じているのか、注意深く観察してみましょう。

特に、他人と比べて劣等感を抱いたり、イライラしたり、嫉妬したりする時には、「自分はどんな条件に縛られているのか」を自問自答してみることが有効です。

周りの人を見てイラッとしたり、嫉妬する感情が芽生えた時、自分はどこかで我慢をしている、無意識のうちに我慢をさせているんだな、ということに気づくことです。

2. 「条件」を手放す

次に、「条件」を手放し、「~できなくてもいい」「~しなくてもいい」と自分に許可を与えましょう。

「条件」を満たせない自分を責めるのではなく、「今までよく頑張ってきたね」「できない自分も自分だよね」と、ありのままの自分を認め、受け入れることが重要です。

できない自分をダメ出しするのではなく、今の自分の実力がこのくらいだと受け入れて、そこから努力をするのか、別のことで頑張るのかを考えればいいんです。

また、「どんな自分も自分」「惚れ惚れする自分も気に入らない自分も全部ひっくるめて自分」と、良い面も悪い面も含めて、ありのままの自分を認めるましょう。最初はなかなか勇気がいるかもですが。。

3. 「今」に集中する

最後に、「条件」から解放された後は、「今、ここ」に意識を集中し、自分が本当にしたいこと、ワクワクすることを選択し、行動していきましょう。

将来の結果を気にせずにリラックスして、今できることだけ淡々とやっていきましょう。

結果がどうであっても、今、その人に一番ふさわしい結果が出ているだけです。「自分がこうしなきゃいけない、こうなってはいけない、間違いを起こしてはいけない、ミスをしてはいけない」といった脅迫観念から解放されることが、まずは大切です。

「今、自分は何がしたいのか、今、これを味わいたい、結果がどっちでもいいからとにかくやりたい」という気持ちで行動していくことが大切です。

これらのステップを実践することで、「ちゃんと病」から抜け出し、より自由で、自分らしく、充実した人生を送ることができるようになるでしょう。

さいごに

「ちゃんと病」から解放されるためには、自分の内なる声に耳を傾け、「ちゃんとしなくてもいい」と自分に許可を与えることです。

完璧を求めるのではなく、ありのままの自分を受け入れることで、本来の自分らしさを取り戻すことができます。

「今、ここ」に集中し、自分が本当にしたいこと、ワクワクすることを選択し行動することで、より自由で充実した人生を送ることができるでしょう。

「ちゃんと病」からの解放は、あなたの新たな人生のきっかけになるはずです。