今回は、9つあるインナーチャイルドのタイプの1つ、【シークレット】についての記事です。あなたは周りの顔色を伺い、本音を隠してしまうことはありませんか?または、感情を素直に表現できず、いつも「大丈夫」と言ってしまう人を知っていますか?実は、これらは「シークレット」と呼ばれるインナーチャイルドのタイプかもしれません。

「シークレットってどんな特徴があるんだろう?」「シークレットの行動パターンが知りたい」

このような疑問に答えていきます。

★この記事の内容は・・・

  • シークレットとは何かがわかるようになります
  • シークレットの形成過程がわかるようになります
  • シークレットの行動パターンがわかるようになります

心理セラピストとして、これまでに1000人以上のインナーチャイルドを癒してきた私が、詳しく解説します。最後まで読んでいただけるとうれしいです。

シークレット:心の奥底に隠された感情と向き合う

シークレット:心の奥底に隠された感情と向き合う

まずは、インナーチャイルドのシークレットのタイプについて、そして、その形成過程と具体的な特徴を見ていきましょう。

シークレットとは?

「シークレット」は、感情の抑制や隠蔽によって形成されるインナーチャイルドのタイプです。

幼少期に、自分の感情を率直に表現することが許されない環境で育った結果、本心を隠して「良い子」を演じたり、感情を押し殺して生きていくことを余儀なくされます。

シークレットの形成過程

子供にとって、自分の感情をありのままに表現し、周囲の人々に受け入れてもらうことは、健全な心の発達のために非常に重要です。

しかし、シークレットタイプの子供は、親や周囲の大人たちの反応を恐れ、自分の本心を表現することを抑制します。

たとえば、親から「男の子なんだから泣くんじゃない」「そんなことで怒るなんておかしい」などと、感情の表出を否定された子供は、シークレットタイプになりやすいと言えます。

子供は、無意識のうちに「自分の感情は受け入れられない」「本心を出すと嫌われる」という恐怖心を抱き、心の奥深くに感情を閉じ込めてしまうのです。

シークレットの特徴:仮面の下に隠された真実

シークレットタイプの人は、大人になっても、以下のような特徴を示す傾向があります。

感情の抑圧
怒り、悲しみ、喜びといったあらゆる感情を、表に出すことを極端に恐れます。 本当の気持ちを表すと受け入れてもらえないと思い込んでいるからです。

本音を隠す
常に周囲の人の顔色を伺い、その場に応じた態度や言葉を使い分けます。 自分自身を肯定的に捉えることができず、 そのため、本音を言ったら相手にどう思われるか不安になり、結果として本音を隠してしまうからです。

良い子を演じる
周囲から良く思われたいという気持ちが強く、自分の意見や主張を押し殺してしまいます。 幼少期の経験から自己肯定感が低い状態にあり、その結果、「良い子」を演じることで、周囲からの承認を得ようとしている、あるいは拒絶を避けようとしている可能性も考えられます。

コミュニケーションの困難さ
本音を隠すため、曖昧な表現や当たり障りのない会話が多くなり、真の意味でのコミュニケーションが難しくなります。自分の意見や感情を表現することへのハードルが高く、曖昧な表現や当たり障りのない会話に終始してしまうためです。

ストレスをためやすい
感情を吐き出すことが苦手なので、ストレスを溜め込みやすく、心身に不調をきたしやすくなります。常に本音を隠して「良い子」を演じていて、自分の本当の気持ちを抑圧し続けなければならず、その結果、 ストレスをため込みやすい状態にあります。

このように、シークレットの形成過程や特徴がわかりました。では、もう少し深掘りしてみましょう。次は、シークレットの行動パターンについてです。

シークレットの行動パターン:具体例

シークレットの行動パターン:具体例

シークレットは、幼少期「秘密のある家庭」環境で育ち、感情を抑圧し、「良い子」を演じることで自分を守ろうとするタイプです。

ここでは、シークレットにみられる代表的な行動パターンを、具体例を交えて5つご紹介します。

1.曖昧な表現・当たり障りのない会話

自分の意見や気持ちを明確に表現することを避け、曖昧な言葉や当たり障りのない会話をすることで、対立を回避しようとします。

例)
◉職場での会議で意見を求められても、「そうですね」「みんなが納得できる方向に進めば良いですね」など、具体的な意見を避けた発言をする。
◉友人との会話で、自分の意見と違う意見が出ても、「それもいいね」「私はどちらでも良いよ」と、自分の考えを表明することを避ける。
◉パートナーから将来について聞かれても、「まあ、なるようになるんじゃない?」「特に何も考えていない」と、具体的なビジョンや希望を伝えない。

2.本音を隠して相手に同調する

相手の顔色を伺い、自分の本心とは裏腹に、相手に同調したり、迎合したりすることで、関係性を維持しようとします。

例)
◉本当は嫌だと感じている仕事でも、「任せてください!頑張ります!」と、上司に意欲的な態度を見せる。
◉本当は行きたくない飲み会に誘われても、「楽しそう!ぜひ参加させてください」と、断らずに参加する。
◉パートナーの趣味に興味がないにも関わらず、「面白そう!私もやってみたい」と、共感しているように振る舞う。

3.秘密主義・嘘

自分の本心や過去のトラウマ、プライベートな情報を隠す傾向があり、場合によっては、嘘をついてでも、それらを隠そうとすることがあります。

例)
◉過去の恋愛経験やトラウマについて聞かれても、「特に何もないよ」「普通だよ」と、多くを語ろうとしない。
◉仕事で大きなミスをしてしまった際に、言い訳をしたり、責任転嫁をしたりして、自分の非を認めようとしない。
◉本当は体調が悪いにも関わらず、「大丈夫!元気だよ!」と、周囲に心配をかけないように、嘘をついてしまう。

4.過剰な気遣い・自己犠牲

周囲の人に対して必要以上に気を遣い、自分の意見や希望を後回しにして、相手に合わせようとします。

例)
◉友人との食事会で、自分の希望の店ではなくても、「どこでも良いよ!〇〇が決めて」と、相手の希望を優先する。
◉職場でのプロジェクトで、自分の負担が大きくなってしまっても、「大丈夫です!私に任せてください」と、無理をして引き受けてしまう。
◉家族やパートナーとの時間よりも、仕事や友人との約束を優先してしまう。

5.感情の起伏が乏しく、何を考えているか分かりづらい

自分の感情を表現することが苦手で、常に冷静を装ったり、ポーカーフェイスを貫いたりするため、周囲からは何を考えているのか分かりづらいと思われがちです。

例)
◉嬉しいことがあっても、大喜びしたり、はしゃいだりせず、「良かったね」と、冷静に反応する。
◉悲しいことがあっても、人前で泣いたり、弱音を吐いたりせず、「大丈夫」と、強がる。
◉怒りを感じることがあっても、感情的に反論したり、怒鳴ったりせず、「そうですか」「分かりました」と、冷静に受け流す。

これらの行動パターンは、「シークレットタイプ」が自分を守るために無意識に身につけてきたものであり、必ずしも悪いものではありません。しかし、これらのパターンが強すぎる場合、周囲との間に壁を作り、コミュニケーションを阻害してしまう可能性もあります。

さいごに:心の解放がもたらす自己表現と豊かな人間関係

シークレットタイプの人は、幼少期の経験から、自分の感情を表現することに対する強い不安を抱えています。

しかし、心の奥底に閉じ込めた感情と向き合い、解放することで、より自分らしく、心が豊かになっていくはずです。