物質的な世界に存在する目に見えるものだけが全てではありません。目に見えないからといって、そこに何もないわけではありません。実は、目に見えない世界こそが、物質世界を生み出す根源なのです。
現代科学は、物質を極限まで分解していくと、最終的に「ゼロポイントフィールド」と呼ばれる領域に行き着きます。ゼロポイントフィールドとは、「何もないところに全てがある」という不思議な領域のことです。
ゼロポイントフィールドを理解することで、私たちは物質的な世界を超えた別次元の存在に気づくことができます。そこには、私たち自身の本質的な姿、魂の深層に満ちているエネルギーと繋がる道が開かれているのです。
【わかりやすい】ゼロポイントフィールドとは?「何もないところに全てがある」こと
まずはゼロポイントフィールドの定義を理解していきましょう。
ゼロポイントフィールドとは?
ゼロポイントフィールドとは、「何もないところに全てがある」という、一見矛盾した科学の概念です。 しかし、この概念は物理学だけでなく、精神世界や心理学においても根幹をなす重要な考え方であり、すべてのものの根源となっています。
「何もないところに全てがある」という科学の概念
ゼロポイントフィールドは、目に見えないミクロの世界において、「何もないところに全てがある」という、科学的な概念です。
物質を分子→原子→陽子・中性子とミクロレベルで分解していくと、最終的に「素粒子」に行き着きます。この素粒子の振る舞いは、観測者の意識によって変化するという「観測問題」が存在します(後述)。
つまり、観測前は「何もない状態」にあり、観測することで「存在する状態」になるのです。この「何もない=存在しない」と「すべてがある=存在する」が共存する領域を、ゼロポイントフィールドと呼んでいます。
量子力学の実験で知られるシュレディンガーの猫は、この「観測問題」を分かりやすく例えたものです。観測前は猫が生きているのか死んでいるのか分からない「重ね合わせ状態」にあり、観測することで生か死かの状態が決まります。
ゼロポイントフィールドは、目に見えない微小な世界における「有り/無し」の二元性を超えた、「全てである可能性が共存する場」なのです。
すべてのものの根源にあるゼロポイントフィールド
すべての物質は、分子→原子→陽子・中性子→素粒子と分解していくと、最終的にゼロポイントフィールドにたどり着きます。 つまり、ゼロポイントフィールドはすべてのものの根源であり原点なのです。
私たち自身の身体も、分子・原子・素粒子から構成されています。動植物だけでなく、スマホやビルなどの建物など無機物なものもすべてです。
このように、地球、そして宇宙に存在するすべてのものの根源は、ゼロポイントフィールドにあります。
ですので、ゼロポイントフィールドは「すべてのものの源泉」ともいえる根源的な存在と言えるでしょう。
観測問題と観測者の意識の影響
ゼロポイントフィールドで起こる「観測問題」とは、観測者の意識が観測結果に影響を与えるということです。
量子の世界を、観測者が「ある」と観測すれば「ある」結果になり、「ない」と観測すれば「ない」結果になります。
さらに、「動いている」と観測すれば動いている結果に、「止まっている」と観測すればその結果になる。
つまり、観測者の意識や解釈が、観測の結果を決定づけてしまうのです。
このように、ゼロポイントフィールドの「観測問題」は、ミクロの世界において、観測者の意識が実在を創り出す可能性を示しています。
このパラドックスに、物理学者のアインシュタインら著名な科学者たちが言及し、「神の領域」「大いなる何か」と表現しています。
アインシュタインは、「God Energy」と、もはやこの世界は、神の力がはたらいていると表現しました。
また、筑波大学名誉教授であり遺伝子科学の権威である村上和雄教授は、この世界を「Something Great」と、大いなる何かがはたらいていると表現しました。
ゼロポイントフィールドは、「何もない=存在しない」と「すべてがある=存在する」が共存し、観測者の意識によってその実在が決定される、不思議な科学の領域です。すべてのものの根源でありながら、観測者の解釈次第で実在が変わるというパラドックスを持つ、重要な概念なのです。
ゼロポイントフィールドをもっと身近にわかりやすく理解する
ゼロポイントフィールドという概念は、一見難しく感じるかもしれません。しかし、私たちの日常生活の中にも、この「何もない空間に全てがある」状態は身近に存在しています。
身近な例えで理解を深める
ゼロポイントフィールドは、目に見えない世界の概念ですが、実はその現象は日常の至る所に表れています。身近な例から考えることで、より理解が深まります。
たとえば・・・
・スマートフォンやPCの画面と、その画面を見ている目の間の空間
・部屋の中の空間
・自分の体と服の間の空間
・二つの建物の間の路地の空間
一見「何もない空間」に見えますが、実はそこに「全てがある」のです。空気の流れ、音波、電磁波、温度などさまざまなものが行き交っています。
つまり、私たちの身の回りには、ゼロポイントフィールドと同様の領域が溢れているのです。
呼吸から見る「何もないところに全てがある」
呼吸すること自体が、まさにゼロポイントフィールドの現れなのです。
肺から吸い込む空気は、目に見えません。
しかし、その「見えない空気」こそ、私たちの生命を維持する酸素を運んでいます。
呼吸によって、目に見えない空間から生命を生み出し続けています。
つまり、目に見える身体と、見えない空間の間で、生命が絶えず循環しているのです。
循環の根源こそがゼロポイントフィールド
生命の循環といった考え方で見ると、ゼロポイントフィールドの概念が理解しやすくなります。
ちょっと考えてみましょう。
生命体が死んで火葬されると、物質は気体となり大気中に還元されます。その気体が雲や雨となり、やがて海や川の水となります。つまり「気体 ⇄ 液体 ⇄ 個体」と常に循環しています。その中でまた新たな生命が生み出されるといった循環があります。この循環の根源こそが、ゼロポイントフィールドなのです
そこで疑問が生まれます。
「じゃ、輪廻転生って何なの??」
僕個人としては、輪廻転生といういわゆる生まれ変わりのようなものはないと捉えています。あくまでも「循環」です。
というのも、たとえば生命が亡くなったら火葬されて気体になったり、土に還っていきます。「気体 ⇄ 液体 ⇄ 個体」を繰り返すのです。
「私が」生まれ変わる、と解釈している時点で、それは人間のエゴに過ぎません。「”私は”、〇〇が前世だった」という捉え方は、非常に狭いものです。
私たちはフィールドで常に繋がっていて、常に一体をなしています。物質世界に人間として生まれ、エゴの形成により「私」というアイデンティティを持ち、分離を経験しているだけで、本来は常にすべてが一体(ワンネス)です。
そのため、「私」というものが輪廻転生を繰り返すというよりは、ただただ全体が循環したり、エネルギーのきっかけがある中で「気体 ⇄ 液体 ⇄ 個体」を繰り返していると捉えています。
ゼロポイントフィールドは、一見難しい概念に思えますが、実は私たちの日常に無数の実例があります。呼吸や生命の循環など、身近なものから考えることで、この「何もないところに全てがある」という不思議な真理に気づけるはずです。目に見えないものの中に、生命の根源が宿っているのです。
ゼロポイントフィールドと様々な概念の関連性
ゼロポイントフィールドは、科学分野で近年注目を集めている概念ですが、実は古くから存在する様々な思想や概念と関連しています。
仏教の「空」とゼロポイントフィールド
ゼロポイントフィールドは、仏教の「空」という古来の概念と本質的に同じものです。
仏教の「空」とは、一切の現象は「無常」であり「実体は無い」という教えです。しかし「無」ではなく、あらゆる可能性が含まれた「絶対無の裏返し」を意味します。つまり、「何もない状態」と「全てがある状態」が両立する「空」の世界です。これはまさに、科学が発見したゼロポイントフィールドの概念と一致しています。
ちなみに、仏教の経典には「色即是空 空即是色(物質とは空であり、空とは物質)」とあります。これは、「無の世界にありとあらゆるものの可能性がある」という考え方が説かれています。
ゼロポイントフィールドと仏教の「空」は、表面上は異なる概念のようですが、その本質は全く同じものです。科学と仏教という異なる分野でありながら、同じ真理に行き着いているのです。
アカーシャ、ソースエネルギー、ハイヤーセルフなど
ゼロポイントフィールドは、様々な思想や哲学でも同様の概念が説かれており、先ほどの「空」の他にも、「アカーシャ」「ソースエネルギー」「ハイヤーセルフ」「純粋意識」などの呼び名で表現されています。
ヒンドゥー教の”アカーシャ”は、すべての存在の根源となる”場”を意味します。
様々な心理やスピリチュアルの概念でも、人間の魂の源泉となる”ソースエネルギー”と言われます。
また、”ハイヤーセルフ”は、人間の本質的な部分や高次の意識を指しています。
ヒンズー教の権威であるヴェーダに「アカーシャから万物が生じた」と記載があります。
医学博士でもあり、ウェルビーイング分野の世界的第一人者であるディーパック・チョプラは幸せになるためには「ソースエネルギーと繋がること」を説いています。
分析心理学の創始者ユングは”ハイヤーセルフ”を人間の無意識の源泉と位置付けました。
このように、ゼロポイントフィールドと呼ばれる概念は、実は古来より様々な呼び名で説かれてきた普遍的な真理なのです。科学が裏付けたこの概念を通して、東西の英知が収斂していく流れになっています。
ゼロポイントフィールドは、単なる科学的概念にとどまらず、宇宙の根源的な真理を表す重要な概念なのです。
ゼロポイントフィールドとつながる自分を取り戻す
ゼロポイントフィールドは、私たち一人ひとりの本質的な部分、つまり本当の自分自身と深くつながっています。ゼロポイントフィールドとの連続性を取り戻すことで、自己探求と自己実現が可能になります。
女性性と男性性のバランスが鍵
ゼロポイントフィールドと自分自身をつなぐ鍵は、内なる「女性性」と「男性性」のエネルギーをバランスよく統合させることにあります。
【参考記事】内なるエネルギーを解放!女性性と男性性を統合するとどうなるのか?
女性性は受け入れ、感性、インスピレーションといった創造の源泉です。男性性は論理性、行動力、現実化する力です。
この二つのエネルギーが調和されていないと、ゼロポイントフィールドからの本質的なメッセージを受け取ることができません。
女性性のみで生きると、空理空論に終始してしまいます。また、男性性のみでは、機械的で感性に乏しい生き方になります。この両者がバランスされていれば、本当の自分の気付きと行動が自然と生まれます。
内なる女性性と男性性のエネルギーをバランスよく扱えるようになると、ゼロポイントフィールドと繋がった状態、つまり”自分らしさ”を取り戻せるようになるのです。
自己探求と自己実現へのヒント
ゼロポイントフィールドとつながることで、真の自己探求と自己実現への道が開かれます。
なぜなら、ゼロポイントフィールドは、あらゆる可能性の源泉だからです。そこと自分自身がつながれば、本来の可能性に気づくことができます。その可能性を具現化することで、自己実現が起こります。
過去の経験に囚われずに、今この瞬間の自分自身に注目すると新しい気付きが生まれます。また、身近な自然の営みから、生命の本質的なリズムに気づけるようになります。瞑想を通して、ゼロポイントフィールドと自分との間の壁を取り除くことができます。
ゼロポイントフィールドは目に見えない世界ですが、そこと自分がつながることで、新たな自己の在り方が見えてきます。日常の些細な出来事から、自分らしい生き方のヒントを発見できるはずです。
ゼロポイントフィールドとつながり、内なる女性性と男性性を統合させることが、自己探求と自己実現への近道なのです。
まとめ
ゼロポイントフィールドとは、一見矛盾した「何もないところに全てがある」という科学の概念です。しかし、この奇妙な概念こそ、物理学の根幹をなす重要な真理なのです。
古来より説かれてきた普遍的な真理なのです。そして、この根源的な領域と自分自身がつながることで、本当の自己実現が可能になるのです。内なる女性性と男性性の統合を図り、身の回りの小さな気づきから自分らしさを発見していきましょう。
Q&A
Q1. ゼロポイントフィールドって具体的にどういう意味なの?
A1. ゼロポイントフィールドとは、物理学の世界で「何もない状態」と「全てが存在する状態」が共存する領域のことを指します。
目に見える物質を原子やさらに素粒子レベルまで分解していくと、最終的にこの「ゼロポイントフィールド」に行き着きます。
ここでは観測者の意識次第で、観測結果が変わってしまうのが不思議なところです。
つまり私たちが認識する「実在」さえ、この領域と深くつながっているということなのです。
Q2. ゼロポイントフィールドは日常生活とどう関係があるの?
A2. ゼロポイントフィールドは目に見えない概念に思えますが、実は日常の至る所にその現れが存在しています。
例えば、呼吸を続けられるのは目に見えない空気(酸素)があるからです。この「見えない空間」から私たちは生命を得ています。
また、生命の物質循環を見ても、生命の根源がゼロポイントフィールドにあることがわかります。
つまり、ゼロポイントフィールドは日常生活に深く関わる根源的な領域なのです。
Q3. ゼロポイントフィールドと自分との関係は?
A3. ゼロポイントフィールドは、私たち一人ひとりの本質的な自己、つまり”本当の自分”と深くつながっています。
自分と繋がるためには、内なる女性性(創造の源泉)と男性性(現実化する力)のエネルギーをバランスよく統合させることが大切です。
そうすれば、このフィールドからの本質的なメッセージを受け取れるようになります。
日常の小さな出来事の中に、自分らしい生き方のヒントが隠れています。
ゼロポイントフィールドとつながり、そのサインに気づくことで、true selfを取り戻せるのです。