今回は、9つあるインナーチャイルドのタイプの1つ、【アビアランス】についての記事です。鏡を見るたびに自分を責めてしまう。SNSで他人の写真を見ては落ち込む。「もっと痩せなきゃ」「もっとオシャレじゃなきゃ」…そんな思いに囚われていませんか?あなたの心の奥底には「アビアランス」という傷が隠れているかもしれません。

「アビアランスってどんな特徴があるんだろう?」「アビアランスの行動パターンが知りたい」

このような疑問に答えていきます。

★この記事の内容は・・・

  • アビアランスとは何かがわかるようになります
  • アビアランスの形成過程がわかるようになります
  • アビアランスの行動パターンがわかるようになります

心理セラピストとして、これまでに1000人以上のインナーチャイルドを癒してきた私が、詳しく解説します。最後まで読んでいただけるとうれしいです。

アビアランス:外見に囚われた心の奥深くにある傷と癒しへの道

アビアランス:外見に囚われた心の奥深くにある傷と癒しへの道

まずは、インナーチャイルドのアビアランスのタイプについて、そして、その形成過程と具体的な特徴を見ていきましょう。

アビアランスとは?

「アビアランス」とは、幼少期に「外見」を過度に重視された環境で育った結果、外見にとらわれ、自己評価が外見に左右されてしまうインナーチャイルドのタイプです。

周囲の目に過敏になり、完璧な美しさを求め続ける一方で、自己嫌悪に陥りやすく、自分自身を受け入れることが難しい状態に陥ります。

アビアランスの形成過程

子どもにとって、親から無条件に愛され、ありのままの姿を受け入れてもらうことは、自己肯定感を育む上で非常に重要です。

しかし、アビアランスの子どもは、親や周囲の大人たちから、外見、服装、持ち物など、外的な要素ばかりを評価され、「可愛いね」「かっこいいね」「おしゃれだね」といった言葉と共に成長します。

一方で、「もっと痩せなさい」「その服は変よ」といった心無い言葉によって、外見に対する劣等感を植え付けられることもあります。

「世間からどう見られるか」といった価値観の元で育った人は、コンプレックスが強い傾向にあります。

子どもは、無意識のうちに「愛されるためには、外見を良くしなければならない」「価値があるのは、外見が良いときだけだ」という歪んだ価値観を身につけてしまいます。

アビアランスの特徴:外見の呪縛にとらわれた心の葛藤

アビアランスタイプの人は、大人になっても、以下のような行動パターンを示す傾向があります。

容姿への過剰な執着
完璧な美しさを求め、ダイエットや美容に過剰な時間やお金をかけたり、常に自分の容姿を気にしたりします。常に周囲からどう見られているかを気にしており、世間的な美の基準に自分を合わせようとすることで、周囲からの承認を得ようとするためです。

ブランド志向
高級ブランド品を身につけることで、自分の価値を高めようとしたり、周囲からの評価を気にしたりします。世間的に高く評価される物に執着し、所有することで自分の価値を証明しようとするためです。

自己顕示欲の高さ
注目を浴びたい、賞賛されたいという気持ちが強く、SNSなどで自撮りや華やかなライフスタイルをアピールすることがあります。自己顕示欲が低いアビアランスは、周囲からの承認によって、自分の価値を認めさせようとするためです。

劣等感や嫉妬心の強さ
自分より容姿が優れていると感じる人に対して、強い劣等感や嫉妬心を抱き、自己嫌悪に陥りやすくなります。常に他人と自分を比較し、世間的な基準で自分の価値を判断してしまうためです。

人間関係の不安定さ
外見でしか自分を評価できないため、周囲の人間関係も表面的になりがちで、本当の自分を理解してもらえず、孤独を感じることがあります。とにかく周りの人に対して、劣等感や嫉妬心、コンプレックスを抱いたりしているためいつも孤独です。

このように、アビアランスの形成過程や特徴がわかりました。では、もう少し深掘りしてみましょう。次は、アビアランスの行動パターンについてです。

アビアランスの行動パターン:具体例

アビアランスの行動パターン:具体例

アビアランスは、「世間体重視」で育てられたインナーチャイルドです。

ここでは、アビアランスにみられる代表的な行動パターンを、具体例を交えて5つご紹介します。

1.他人との比較

自分より優れた人間を見ると劣等感を抱き、逆に自分より劣っている人間を見ると優越感を感じます。

例)
◉ 旧友との飲み会で、自分よりも高収入の友人の話を聞いて、必要以上に自分を卑下したり、見栄を張ってしまったりする。
◉ 華やかな海外旅行の写真をアップしている友人を見て、自分はつまらない日常を送っていると落ち込んだり、逆に自分は充実した日々を送っていると優越感を感じたりする。
◉ 同期は仕事ができるのに、自分は評価されていないと感じ、自信を失ってしまう。

2.ステータスシンボルへの執着

ブランド品や高級車など、世間的に高く評価される物に執着し、所有することで自分の価値を証明しようとする傾向があります。

例)
◉ 周囲に高級ブランド品を持っていることをひけらかしたり、ブランド品を持っている自分自身に酔いしれたりする。
◉ 高級車に乗っている自分を周囲に見せつけたり、高級車のステータス性を過度にアピールしたりする。
◉ ステータスが高いとされる高級住宅街に住むことで、周囲から羨望のまなざしを向けられたいと考える。

3.外面を気にする

常に周囲からどう見られているかを気にし、良い評判を得ることに固執します。

例)
◉ 見栄えの良い写真や動画ばかりをアップロードし、リア充であるように見せかけようとしたり、実際よりも自分を良く見せようとする。
◉ 周囲からどう思われているかを常に気にし、自分の意見を言わずに、周囲の意見に同調したりする。
◉ 周囲からどう見られるかを気にして、場にふさわしい服装や持ち物を過度に意識する。

4.自分に自信が持てない

世間的な基準で自分自身を評価するため、自分に自信が持てず、自己肯定感が低い傾向にあります。

例)
◉ 能力や実績があっても、昇進に伴う責任やプレッシャーに尻込みし、昇進の機会を逃してしまう。
◉ 興味のある習い事や資格取得の勉強を始めたくても、「自分にはできないかもしれない」「周りの人に笑われるかもしれない」と不安になり、行動に移せない。
◉ 会議やミーティングで、自分の意見を言いたいと思っても、「否定されたらどうしよう」「場の雰囲気が悪くなったらどうしよう」と不安になり、発言できない。

5.本音を隠す

世間体を気にして、自分の本音を隠してしまいがちです。

例)
◉世間体を気にして、安定した職業に就いていると周囲に思われたいという気持ちが先行し、本心ではやりがいを求めて転職したいと考えていても、それを隠してしまう。
◉本当は結婚願望がないのに、「結婚はまだ?」という周囲からのプレッシャーに負けて、「いい人がいればね~」と社交辞令を言ってしまう。
◉本当は派手なファッションが好きなのに、周囲から浮いてしまうことを恐れて、地味な服装ばかりを選んでしまう

このように、アビアランスは、自分自身の価値観よりも、世間体を優先してしまうため、常に不安や緊張を抱えています。

さいごに:真の美しさは内面から溢れ出すもの

アビアランスタイプの人は、幼少期の経験から、外見によって自分の価値を判断してしまう傾向があります。

しかし、自分自身と向き合い、内面の美しさを磨くことで、真の自信を手に入れ、自分らしく輝くことができるはずです。