タイトルで驚かせてしまいましたね。でも、釣りでも冗談でもありません。今回は、クライアントさんが成長しない、変容していかない原因は自分自身にあった話を自己開示します。プロとして恥ずべきことであり、ブログにすることに抵抗がまったくなかったわけではありません。しかし、誰か一人でもこの内容がお役に立つのであればという思いで記事にしました。
「継続セッションのクライアントさんが、なかなか大きく変容していかない。見立てや扱うべきテーマは拾えている手応えがあるけど、いま一歩の気づきと次のステージへステップを踏んでいっている感じがしない。」
このような疑問に答えていきます。
★この記事の内容
・あなたとあなたのクライアントさんが大きく飛躍するきっかけが掴めます
・ふだん気づけない、あなた自身のジャッジやビリーフに気づくことができるかもしれません
心理カウンセラー・セラピストととして活動していた頃、たくさんのクライアントさんが大きく好転し変容していく姿をみてきました。しかしその裏には、どれだけセッションしても楽にならない、変容していかないクライアントさんもいらっしゃいました。その理由は、わたし自身のクライアントさんに対する「無意識領域の思い込み」が原因だったのです。
今回は、そこから学んだことを自己開示しようと思います。
「私より幸せになるんじゃないわよ!」クライアントに嫉妬?
あなたは、クライアントがなかなか殻をやぶれなかったり、成長・変容しなかったりといった経験はありますか?
心理カウンセラーとして活動を始めた当初、そのようなことがよく起こっていました。その原因は人それぞれだし、いろんなことが考えられます。その中でも、わたしの場合、クライアントに嫉妬し「マウント」していたことが原因でした。
猛スピードで目まぐるしく好転していくクライアント
当時44歳の佳奈さん(仮名)。脱サラ後、経営コンサルタントとして独立して2年目。起業したものの準備していた資金も底を尽きそうな状況でした。これまでの税理士の経験を生かして活動されていました。佳奈さんのクライアントは、すべて男性経営者。しかし、クライアントとの関係をいつもこじらせてしまうため、新規の営業にも意欲がわかず、このまま閉じるかどうしようかということで悩まれていました。
そんな中、継続個別セッションの3回目だったと思います。その時の主訴を扱い、ハコミセラピー、フォーカシング、感情解放ワーク、ビリーフをフラットにするワークなどをおこないました。
その後佳奈さんに目まぐるしい好転が起きます。クライアントから契約の継続希望のもし出があったり、一度離れたクライアントから「また一緒に仕事がしたい、手伝って欲しい」というお声がかかったりしました。そのセッションから一週間の間で。さらには、大口の紹介があり、それも単発ではなく、年間契約の話が舞い込んできました。この先少なくても一年は安泰で、この間に経営面もいろんな面で立て直しができる状態になりました。びっくりするくらいに一気に。
佳奈さんからその話を聞いた時、「よかったですね!おめでとうございます!佳奈さんが真剣にご自分と向き合われたからですよ」と言ったように記憶しています。しかし同時に、ザラッとした感覚がたしかにありました。
その後2〜3日はザラッとした感覚はなかったものととしてやり過ごしていたんですが、どうしても気になり始めます。
ある日、一人ゆっくりとした時間をとり、この感覚をしっかり観察してみることにしました。わたしの場合はよく、感覚に意識をフォーカスして、その感覚に言葉を与えるというワークをします。しばらくするとメッセージが出てきました。
「オレより幸せになるんじゃねーよ!」
出てきました。ブラック山形。たしかに最初に感じた時、あっという間に人生大逆転していく佳奈さんを目の当たりにして嫉妬のような感情があったことを思い出します。さらに一人ワークは続きます。もっとザラッとした感覚が言葉を出すことにOKしていきます。
「女性が幸せになれるわけねーんだよ」
「時間とお金をかけて苦労しなきゃ幸せになっちゃいけねーんだよ」
「オレより簡単に幸せになるんじゃねーよ」
ブラック山形どころじゃない、ヘドロ山形がどんどん出てきます。自分でも驚くほど汚い言葉でした。その後プロの力もお借りして、これらのクリーニング・クリアリングをおこないました。結局のところ、母親との関わりが大きく影響していたことと、わたし自身がお金と時間をかけて、やっとの思いで少しずつ開花していった経験からくるものでした。
まさか、人のいのちの可能性を誰よりも信じ、その人の幸せに向かって寄り添うカウンセラーがこんなビリーフ(思い込み、思考の囚われ)を持っていたとは。。
セッションしても手応えがない日々
当時数名のクライアントがいらっしゃったのですが、たしかに、佳奈さんのことが起きるまでは、クライアントの方々が、なかなか大きく変容していかないことが続いていました。見立てや扱うべきテーマは拾えている手応えはあるけど、いま一歩の気づきと、次のステージへステップを踏んでいっている感じがしないのです。
それもそのはず。無意識領域で、
「オレより幸せになるんじゃねーよ!」
「女性が幸せになれるわけねーんだよ」
「時間とお金をかけて苦労しなきゃ幸せになっちゃいけねーんだよ」
「オレより簡単に幸せになるんじゃねーよ」
と思っていたのですから。
そのため、振り返ればよくクライアントに、「ちょっと良いことがあっても、もう大丈夫なんて思わないでください。まだまだ見るべき課題はたくさんありますよ」なんて言っていました。マジです。めっちゃマウントしてますよね(汗)
クライアントの幸せ、自由、豊かさをブロックしていたのは、ご本人自身だけでなく、カウンセラーであるわたしだったのです。
いい加減、わたし自身の課題に向かあえと宇宙か神からのお達しだったのでしょうか。佳奈さんとのセッションと佳奈さんの自己変容が、わたしに変わるきっかけを与えてくださったのです。
中庸のあり方
それからというもの、クライアントの自己変革・自己変容に対して一緒に涙を流し、こころから喜び祝福できるようになりました。
その後わたしは、カウンセラーの集客やビジネスのサポートをする側に転身したのですが、すでにヘドロ山形のクリーニング・クリアリングを済ませていたせいか、(自分で言うのもなんですが、)驚異的なスピードで成果を出されていく方々が続出しました。
見ている世界は、自分自身の内側の投影。どれだけ中心にいられるか。どれだけゼロポイントにいられるか。どれだけ中庸でいられるか。この原理原則を知り、体感していることはわたしの何よりの宝です。
しかし、いつでもそういられるわけではありません。わたし自身のやわらかい質、安定感の質もありながら、ブラックだったりヘドロだったりする自分も一緒に生きていく覚悟。かっこ良くいえばそんなところでしょうか。その中でクライアントをコントロールすることなく、相手が望む方へ行くために、いかにサポートできるか。この記事を書きながら、あらためて気づくことができました。
ちなみに、佳奈さんには当時、わたしに起きたことをそのまま自己開示させていただきました。佳奈さんがこのことを受容してくださり信頼してくださったことはとても大きかったです。
2.:まとめ
あなたはわたしのように、クライアントの成長や変容に対して、嫉妬したりマウントしたりといった経験はありますか?実はコレ、新米カウンセラーあるあるだったりします。野放しにしておくと、どんどんあなたからクライアントが離れていくことでしょう。定期的にSV(スーパーバイズ)を受けたり、プロでありながらも、あなた自身がクライアントとしてセッションすることを継続していくことが大切です。
このような感覚があったとしても、決して悪者でもなく、カウンセラーに向いてないわけではありません。あなた自身がより成長するための課題だと捉え、未来のクライアントのための課題だと捉えてみてください。
いつもあなたのことを応援しています。