山形竜也
今回の記事は、アダルトチルドレンは、発達障害がどう違うのか？ついて解説します。「もしかして私、アダルトチルドレン？それとも発達障害？」そんな疑問を抱いたことはありませんか？人間関係で悩んだり、仕事でうまくいかなかったりすると、自分の特徴の原因を知りたくなりますよね。でも、アダルトチルドレンと発達障害は、似ているようで実は大きく違います。この記事では、その違いをわかりやすく解説します。
「私の生きづらさ、アダルトチルドレンのせい？それとも発達障害？どう見分ければいいの？」
「周りの人に自分の特徴を理解してもらいたいけど、うまく説明できない。アダルトチルドレンと発達障害の違いがわかれば、もっと上手に伝えられるかも。」
「子どもの行動が気になるけど、アダルトチルドレンの影響なのか発達障害なのか分からない。どう接すればいいの？」
このような疑問に答えていきます。
★この記事の内容は・・・
- 自分や大切な人の特徴が、アダルトチルドレンによるものか発達障害によるものかを見分けられるようになります
- それぞれの特徴に合った適切な対処法や支援方法のヒントが得られます
- 周囲の人々にアダルトチルドレンと発達障害の違いを分かりやすく説明できるようになり、理解を深められます
心理セラピストとして、これまでに1000人以上のアダルトチルドレンの方々をサポートしてきた私が具体例を交えて詳しく解説します。
※心理セラピストの私は医者ではないため、うつ病・不安障害については専門外です。あくまでも私の経験と現場での知識をもとに執筆しています。より正確な情報をお求めの場合は、専門医にお尋ねください。
1.アダルトチルドレンと発達障害の違いがわかる！自分や大切な人の理解を深めるヒント
アダルトチルドレンと発達障害がどう違うのか。これを理解していくためにも、まずはアダルトチルドレンとはどのようなものかをお伝えします。
◉アダルトチルドレンとは
アダルトチルドレン（AC）とは、幼少期に機能不全家族で育った結果、大人になっても様々な生きづらさを抱える人々のことを指します。例えば、過度の完璧主義、他人の顔色を伺う傾向、自己否定的な考え方などが特徴的です。
◉なぜ混同されやすいのか？
アダルトチルドレンと発達障害（特にADHDやASD）が混同されやすい理由として、以下のようなものが挙げられます。
1.似たような行動パターン
集中力の問題や社会的な困難さなど、表面的には似た特徴を示すことがあります。
2.診断の難しさ
どちらも専門家による詳細な評価が必要で、一見しただけでは判断が難しいです。
3.共存の可能
アダルトチルドレンと発達障害は併存する可能性もあり、さらに混乱を招きやすくなります。
◉正しい理解の重要性
アダルトチルドレンと発達障害を正しく理解することは、以下の理由から非常に重要です。
1.適切なサポートの選択
それぞれに適した支援やアプローチが異なるため、正しい理解が効果的なサポートにつながります。
2.自己理解の深化
自分自身や周囲の人々をより深く理解することで、より良い関係性を築くことができます。
3.不必要な混乱の回避
誤った理解は、適切でない対処法の選択や自己否定感の増大につながる可能性があります。
この記事では、アダルトチルドレンと発達障害（特にADHDとASD）の違いを詳しく解説していきます。自分自身や大切な人のことをより深く理解し、より良い人間関係を築くためのヒントを見つけてください。
2. 発達障害について知っておきたいこと
発達障害は、生まれつきの脳の特徴です。ここでは、よく聞く「ADHD」と「ASD」について、わかりやすくお話しします。
2.1 ADHDとASDの基本的な特徴
【ADHDの特徴】
集中力が続きにくいです。たとえば、本を読んでいてもすぐに気が散ってしまいます。
じっとしていられないことがあります。椅子に座っていても、ついつい体が動いてしまいます。
考える前に行動してしまうことがあります。順番を待つのが苦手で、つい割り込んでしまうこともあります。
【ASDの特徴】
人とのやりとりが難しいことがあります。たとえば、雑談が苦手だったり、相手の気持ちを読み取るのが難しかったりします。
好きなことにとても詳しくなることがあります。特定の趣味や話題に強い興味を持ちます。
音や光、触り心地に敏感なことがあります。たとえば、特定の音が苦手だったり、服のタグが気になったりします。
2.2 日常生活での影響
発達障害があると、日常生活のいろいろな場面で困ることがあります。
【ADHDがある方の日常生活】
・仕事や勉強
締め切りを守るのが難しかったり、課題を終わらせるのに時間がかかったりします。
・人間関係
話を最後まで聞けなかったり、約束をうっかり忘れてしまったりすることがあります。
・身の回りのこと
物をよく失くしたり、時間の管理が苦手だったりします。
【ASDがある方の日常生活】
・コミュニケーション
世間話が苦手だったり、冗談がわかりにくかったりすることがあります。
・新しい環境
急な予定変更に対応するのが難しかったり、新しい場所に慣れるのに時間がかかったりします。
・感覚の問題
特定の音（例：掃除機の音）が苦手だったり、特定の食感が苦手だったりすることがあります。
大切なのは、これらの特徴は人それぞれで、みんなが同じように感じるわけではないということです。また、自分の特徴をよく知って、上手に付き合っていくことで、困難を減らし、自分の良いところを活かせるようになります。
発達障害の特徴を知ることで、アダルトチルドレンとの違いがわかりやすくなります。次は、アダルトチルドレンとADHDの具体的な違いについて、もっと詳しく見ていきましょう。
3. アダルトチルドレンとADHDの決定的な違い
アダルトチルドレンとADHDは、外から見ると似ているところがありますが、実は大きな違いがあります。ここでは、その違いについてわかりやすくお話しします。
3.1 原因の違い：環境 vs 脳機能
【アダルトチルドレン】
アダルトチルドレンは、育った環境が原因です。たとえば、お父さんやお母さんがお酒や仕事の問題を抱えていて、子どもの気持ちに寄り添えなかったような家庭で育つと、アダルトチルドレンになることがあります。
【ADHD】
ADHDは、生まれつきの脳の特徴です。お母さんのお腹にいるときから、脳の働き方が少し違っています。育て方や環境が原因ではありません。
3.2 症状の現れ方：変化する vs 一貫性
【アダルトチルドレン】
アダルトチルドレンの特徴は、状況によって変わることがあります。たとえば、職場では完璧主義で頑張りすぎてしまうけど、家では疲れ切ってしまうということがあります。
【ADHD】
ADHDの特徴は、どんな場面でもだいたい同じように現れます。たとえば、学校でも家でも仕事でも、集中力が続かないという特徴が変わらず見られます。
3.3 集中力の違い：過度の集中 vs 散漫
【アダルトチルドレン】
アダルトチルドレンの方は、完璧にしようとしすぎて、一つのことに夢中になりすぎることがあります。たとえば、レポートを書くときに、細かいところまでこだわりすぎて時間がかかってしまうことがあります。
【ADHD】
ADHDの方は、興味のないことには集中が続きにくいです。でも、好きなことには集中できることもあります。たとえば、勉強は集中できないけど、ゲームなら何時間でも夢中になれる、ということがあります。
大切なのは、どちらも「悪いこと」ではないということです。それぞれの特徴を理解して、自分に合った方法で対処していくことが大切です。
アダルトチルドレンの方は、過去の体験を振り返り、新しい対処法を学ぶことで、徐々に楽になっていくことがあります。
ADHDの方は、自分の特徴を活かせる環境を作ったり、苦手なことへの対処法を見つけたりすることで、より快適に過ごせるようになります。
次は、アダルトチルドレンとASDの違いについて見ていきましょう。
4. アダルトチルドレンとASDを見分けるポイント
アダルトチルドレンとASD（自閉症スペクトラム症）は、一見似ているように見えることがありますが、実は大きな違いがあります。ここでは、その違いについてわかりやすくお話しします。
4.1 社会的スキルの違い：恐れ vs 生まれつきの特徴
【アダルトチルドレン】
アダルトチルドレンの方は、人間関係を作ることが怖いと感じることがあります。たとえば、「私の気持ちを分かってもらえないかも」「傷つけられるかも」と心配になって、人との付き合いを避けてしまうことがあります。
【ASD】
ASDの方は、人との関わり方そのものが苦手なことがあります。たとえば、相手の表情や気持ちを読み取るのが難しかったり、雑談の仕方が分からなかったりします。これは生まれつきの特徴で、怖いと思っているわけではありません。
4.2 興味の持ち方：一般的 vs 特定分野
【アダルトチルドレン】
アダルトチルドレンの方は、いろいろなことに興味を持つことができます。ただ、新しいことに挑戦するのを怖がることもあります。
【ASD】
ASDの方は、特定の分野にとても強い興味を持つことがあります。たとえば、電車のダイヤに詳しかったり、特定の歴史時代について膨大な知識を持っていたりすることがあります。その分野については、とてもよく知っていて長く話せますが、他の話題には興味を持ちにくいことがあります。
4.3 感情認識：敏感 vs 困難
【アダルトチルドレン】
アダルトチルドレンの方は、他人の気持ちや雰囲気を敏感に感じ取ることがあります。たとえば、相手のちょっとした表情の変化や声のトーンの違いに気づいて、「怒っているのかな」と心配になることがあります。
【ASD】
ASDの方は、他人の気持ちを理解するのが難しいことがあります。たとえば、相手が冗談を言っているのか本気なのかの区別がつきにくかったり、なぜ相手が怒っているのか分からなかったりすることがあります。
大切なのは、どちらも「悪いこと」ではないということです。それぞれの特徴を理解して、自分に合った方法で対処していくことが大切です。
アダルトチルドレンの方は、少しずつ人との関わりに慣れていくことで、人間関係の恐れが和らいでいくことがあります。
ASDの方は、社会的なルールを学んだり、自分の得意な分野を活かせる環境を見つけたりすることで、より快適に過ごせるようになります。
どちらの場合も、自分の特徴を理解し、受け入れることが大切です。そして、必要なときには専門家のサポートを受けることも良い方法です。
さいごに：理解を深め、より良い関係性を築くために
アダルトチルドレンと発達障害は、似ているようで違う特徴があります。アダルトチルドレンは環境が原因で、発達障害は生まれつきの脳の特徴です。どちらも、人との関わり方や感情の扱い方に影響を与えますが、その現れ方は異なります。
大切なのは、これらの違いを理解することで、自分や周りの人をより深く知ることです。そして、その理解を通じて、お互いの特徴を尊重し合える関係を築いていけます。もし心配なことがあれば、専門家に相談するのも良いでしょう。一人ひとりの個性を大切にしながら、より良い人間関係を作っていくことができるはずです。
