今回の記事は、アダルトチルドレンの方のための、心の境界線(バウンダリー)の引き方を解説します。「なんで私ばかりが我慢しなきゃいけないの?」「相手の顔色ばかり伺って、疲れちゃった…」こんな思いを抱えながら生きるのは、本当につらいですよね。これらの悩みの根底には「境界線(バウンダリー)」の問題が潜んでいるんです。特にアダルトチルドレンの方々にとって、この境界線の問題は避けて通れません。でも、安心してください。適切な境界線の引き方を学べば、あなたも自分らしい人生を取り戻せるんです。この記事では、境界線の重要性と、それを身につけるための7つのステップをご紹介します。

「いつも人に振り回されて疲れちゃう。どうすれば自分らしく生きられるの?」
「断りたいのに『No』って言えない。この苦しさから抜け出したい…」
「周りに合わせすぎて、本当の自分を見失ってる気がする。助けて!」

このような疑問に答えていきます。

★この記事の内容は・・・

  • 健全な境界線の引き方を学び、自分らしい生き方ができるようになります
  • 「No」と言える力を身につけ、ストレスや過剰な負担から解放されます
  • 良好な人間関係を築くスキルを獲得し、より充実した人生を送れるようになります

心理セラピストとして、これまでに1000人以上のアダルトチルドレンの方々をサポートしてきた私が具体例を交えて詳しく解説します。

1.【アダルトチルドレン必見】境界線(バウンダリー)の引き方:自分らしく生きるための7つのステップ

1.【アダルトチルドレン必見】境界線(バウンダリー)の引き方:自分らしく生きるための7つのステップ

境界線(バウンダリー)とは、自分と他人との間にある目に見えない線のことです。心の境界線とも言われます。この線があることで、「ここまでは自分の領域」「ここからは相手の領域」と区別することができます。

たとえば、友人から「今日の夜、急に出かけよう!」と誘われたとします。しかし、あなたは明日の朝早く起きなければなりません。そんな時、「申し訳ないけど、今日は難しいわ。また今度ね」と断るのが健全な境界線です。

つまり、境界線は自分の大切なものを守るための、適切な仕切りなのです。

この境界線を健全に引けるようになるために、まずは、2つのポイントをお伝えします。

  1. 境界線が曖昧になる理由
  2. アダルトチルドレンと境界線の関係

1.1 境界線が曖昧になる理由

では、なぜ境界線が曖昧になってしまうのでしょうか?
その理由はいくつかありますが、主に以下の3つが挙げられます。

1.幼少期の経験
「良い子」でいるために自分の気持ちを抑えることを学んだからです。

幼い頃、親から「良い子は自分の気持ちを我慢できるのよ」と言われ続け、自分の欲求や感情を表現することをためらうようになりました。

たとえば、友達と遊びたくても「勉強が先」と言われ、自分の気持ちを押し殺すことが習慣になってしまったのです。

2.周囲の期
他人に嫌われたくないという思いから、自分の意見を控えるようになったからです。

職場で上司の意見に賛成できないときでも、「反対すると嫌われるかも」と考えて黙ってしまいます。また、友人との食事で行きたくないお店に誘われても、「断ると仲が悪くなるかも」と思い、自分の希望を言えずに同意してしまうのです。

3.社会の価値観
「和を尊ぶ」という考えから、自己主張をためらってしまうためです。

会議で新しいアイデアがあっても、「空気を読まないと思われるかも」と発言をためらってしまいます。また、家族や親戚の集まりで、自分の生き方や価値観を語ることを避け、周囲に合わせようとしてしまうのです。

こうした理由から、徐々に自分の境界線が曖昧になっていくのです。

1.2 アダルトチルドレンと境界線の関係

アダルトチルドレンとは、幼少期に何らかの問題のある家庭環境で育った方のことを指します。

たとえば、親が過度に厳格であったり、逆に無関心だったり、またはアルコール依存症であったりと、様々です。

そのような環境で育つと、自分の気持ちよりも、周囲の機嫌を伺うことが習慣になってしまいます。

その結果、成人しても自分の境界線を引くことが難しくなるのです。
しかし、境界線の引き方は、大人になってからでも学ぶことができます。

この記事を読み進めていけば、きっとあなたも適切な境界線を引けるようになりますよ。
さあ、これから一緒に、健全な境界線の引き方を学んでいきましょう。

2.境界線が引けないことで起こる7つの問題

2.境界線が引けないことで起こる7つの問題

境界線が曖昧になると、私たちの日常生活にさまざまな問題が生じます。ここでは、よく起こる7つの問題について詳しく見ていきましょう。

  1. 「ノー」と言えない
  2. 自分の意見を言えない
  3. 相手に合わせすぎてしまう
  4. 相手に振り回される
  5. 人間関係で過剰に疲弊する
  6. 都合の良いように利用される
  7. 共依存の関係に陥りやすい

2.1 「ノー」と言えない

「ノー」と言えないことは、自分の時間やエネルギーを奪われる大きな原因になります。

たとえば、仕事で上司から無理な締め切りを提示されても、「はい、頑張ります」と答えてしまう。その結果、睡眠時間を削って体調を崩したり、家族との時間が取れなくなったりしてしまうのです。

2.2 自分の意見を言えない

自分の意見を言えないと、自分らしさを失ってしまう可能性があります。

会議で良いアイデアがあっても黙っていたり、友人との会話で本当の気持ちを伝えられなかったりすることがあります。そうすると、周りの人はあなたの本当の姿を知ることができず、関係が深まりにくくなってしまいます。

2.3 相手に合わせすぎてしまう

相手に合わせすぎると、自分の人生を生きられなくなることがあります。

恋人の趣味に付き合いすぎて自分の時間がなくなったり、友人の予定に合わせすぎて自分のやりたいことができなくなったりすることがあります。その結果、自分らしさを見失い、充実感が得られなくなってしまうのです。

2.4 相手に振り回される

相手に振り回されると、自分の人生のコントロールを失ってしまいます。

たとえば、気分屋の友人に振り回されて予定が立てられなかったり、感情的な家族に振り回されて自分の生活リズムが乱れたりすることがあります。そうすると、自分の人生の主役が自分ではなくなってしまうのです。

2.5 人間関係で過剰に疲弊する

健全な境界線がないと、人間関係で必要以上にエネルギーを使ってしまいます。

職場の人間関係に過剰に気を遣ったり、友人の悩みを抱え込みすぎたりすることで、自分のための時間や気力が失われてしまいます。その結果、日々の生活が疲労の連続になってしまうのです。

2.6 都合の良いように利用される

境界線が曖昧だと、他人に都合よく利用されやすくなります。

「優しい人だから」と頼まれごとを断れず、いつも損をしてしまったり、「気が利く人」として扱われ、常に人のために働かされたりすることがあります。そうすると、自分の人生が他人のために費やされてしまうのです。

2.7 共依存の関係に陥りやすい

健全な境界線がないと、共依存の関係に陥りやすくなります。
共依存とは、お互いに依存し合い、不健全な関係を続けてしまうことです。

たとえば、相手のために自分を犠牲にし続けたり、相手の問題を自分の責任のように感じたりしてしまいます。その結果、お互いが成長できず、不幸な関係が続いてしまうのです。

これらの問題は、一つ一つが私たちの人生に大きな影響を与えます。しかし、適切な境界線を引くことで、これらの問題を解決し、より健康的で幸せな人生を送ることができるのです。次の章では、その方法について詳しく見ていきましょう。

3.健全な境界線(バウンダリー)を築くための7つのステップ

3.健全な境界線(バウンダリー)を築くための7つのステップ

さて、ここからは具体的に、健全な境界線を築くための7つのステップをご紹介します。一つ一つ、ゆっくりと実践していきましょう。

  1. 「境界線」を意識する
  2. 自分を大切にすることを決意する
  3. 自分のニーズを把握する
  4. 「ノー」と言えるようになる
  5. アサーティブなコミュニケーションを学ぶ
  6. 信頼できる人に相談する
  7. 焦らず、自分のペースで取り組む

3.1 「境界線」を意識する

まず大切なのは、日常生活の中で「境界線」を意識することです。
 そして、日常生活の中で、「今、自分の境界線が侵害されているかもしれない」と意識することが大切です。  
たとえば、友人から無理な頼みごとをされたとき、「これは私の境界線を越えているかもしれない」と考えてみましょう。また、仕事で長時間残業を求められたときも、自分の生活との兼ね合いを考え、境界線を意識することが大切です。これらの感情に気づいたら、それはバウンダリーを見直すサインです。

例1)
職場で同僚に頼み事をされたが、すでに自分の仕事で手一杯だと感じる。しかし、断ったら嫌われると思い、引き受けてしまう。後で、自分の仕事が遅れてしまい、強いストレスを感じ、「あの時、断ればよかった…」と後悔する。

例2)
友人と食事に行くことになったが、お店選びを全て相手に任せてしまう。本当はイタリアンが食べたい気分だったが、相手に合わせることが当たり前だと思ってしまい、自分の希望を伝えられない。

例3)
恋人とのデートで、自分の行きたい場所やしたいことを伝えられず、いつも相手の意見に合わせている。その結果、不満が溜まり、恋人に対してモヤモヤした気持ちを抱くようになる。

3.2 自分を大切にすることを決意する

健全な境界線を築くためには、まず自分自身を大切にすることが重要です。

特にアダルトチルドレンは、自己肯定感が低く、自分を犠牲にしてでも相手に尽くそうとしてしまう傾向があります。しかし、自分を大切にしない限り、健全なバウンダリーを築くことはできません。

まずは、「自分の気持ちも大切にしていいんだ」と、自分に許可を与えてみましょう。たとえば、毎日少しでも自分のための時間を作ったり、自分の好きなことを楽しんだりすることから始めてみてください。

例1)
これまでの人生で、自分の気持ちを後回しにして、他人の期待に応えることに必死だった自分を認め、「これからは自分を大切にする」と決意する。

例2)
自分の好きなこと、やりたいことをリストアップし、それを実現するために時間やお金を使うことを自分に許す。

例3)
自分を大切にするための具体的な行動を決め、毎日実行する。例えば、「今日は早く帰ってゆっくりお風呂に入ろう」「週末は自分のための時間を作ろう」など

3.3 自分のニーズを把握する

バウンダリーを築くためには、自分が本当に何を必要としているのか、何を大切にしたいのかを理解することが大切です。

日記をつけたり、静かに自分と向き合う時間を作ったりして、自分のニーズを探ってみましょう。「私にとって大切なものは何か」「今の生活で満たされていないものは何か」などを考えてみてください。

そして、そのニーズを満たすために、どんなバウンダリーが必要かを考えてみましょう。

例1)
「私は一人の時間が欲しい」「私は自分の意見を尊重してほしい」「私は安心できる人間関係を築きたい」など、自分のニーズを具体的に書き出す。

例2)
自分の感情を認識し、「今、私は何を感じているのか」「なぜ、そう感じるのか」を日記に書き出す習慣をつける。

例3)
自分にとって心地よい空間、人間関係、時間の過ごし方などをイメージし、それを実現するために、どんな行動を起こせるか考える。

3.4 「ノー」と言えるようになる

「ノー」と言うことは、自分を大切にするための大切な手段です。

「ノー」と言うことに罪悪感を感じたり、相手に嫌われることを恐れたりする必要はありません。

最初は小さなことから始めてみましょう。たとえば、行きたくない飲み会を断ったり、無理な仕事の依頼を丁寧に断ったりすることから始めてみてください。「ノー」と言うことで、自分の時間やエネルギーを守ることができます。

例1)
職場で、無理な残業を頼まれた時、「今日は、どうしても外せない予定があるので、残業はできません」と、丁寧に断る。

例2)
友人から、あまり乗り気でない誘いを受けた時、「今回は遠慮しておくね。また今度誘って」と、自分の気持ちを伝える。

例3)
家族から、価値観を押し付けられた時、「あなたの意見も理解できるけど、私はそうは思わない。私の考えを尊重してほしい」と、冷静に伝える。

3.5 アサーティブなコミュニケーションを学ぶ

アサーティブなコミュニケーションとは、相手も自分も大切にしながら、自分の気持ちや考えを伝える方法です。

「私は〜と感じています」「〜してほしいです」といった「私メッセージ」を使って、自分の気持ちを伝える練習をしてみましょう。相手を責めるのではなく、自分の気持ちに焦点を当てて伝えることが大切です。

例1)
自分の意見を伝える時に、「私は~だと思う」というように、「私」を主語にして話すことを意識する。

例2)
相手の意見を否定せずに、まずは「あなたの気持ちはよくわかる」と共感してから、自分の意見を伝えるようにする。

例3)
断る際に、「申し訳ないけど」「言いづらいんだけど」などの言葉を避け、「今回は遠慮させていただきます」「できません」と、はっきりと伝える。

はっきりと伝える理由を少しお伝えしておきます。ここは大切なところなので。

はっきりと伝えることは、自分と相手との境界線「バウンダリー」を明確にする上で重要です。申し訳ないけど」「言いづらいんだけど」といった言葉は、相手に自分の境界線を曖昧に伝えてしまう可能性があります。それに、自分の要求を受け入れてくれる可能性が残っているサインだと受け取ってしまう可能性があります。
その結果相手はさらに要求をエスカレートさせたり、あなたをコントロールしようとしたりするかもしれません。また、曖昧な断り方は、あなた自身が自分の気持ちをはっきりさせないまま、相手に流されてしまうことにもつながります。

一方、「今回は遠慮させていただきます」「できません」と、はっきりと伝えることで、相手にあなたの境界線を明確に示すことができます。相手は、あなたが自分の意志を持っており、それを尊重してくれる人だと理解します。その結果、相手はあなたとの距離感を適切に保ち、健全な関係を築くことができます。

また、はっきりとした断り方は、あなた自身の自尊心を守り、自己肯定感を高めることにもつながります。特に、過去に自分の気持ちを抑圧したり、他人に合わせることが当たり前になってしまっている人にとっては、はっきりとした断り方をすることは難しいかもしれません。しかし、バウンダリーを明確にするためには、勇気を持って自分の気持ちを伝えることが大切です。
最初は小さなことから始め、徐々にステップアップしていくと良いでしょう。

3.6 信頼できる人に相談する

一人で抱え込まず、信頼できる人に相談することも大切です。

バウンダリーを築くことは、決して簡単なことではありません。
友人や家族、カウンセラーなど、自分の気持ちを安心して話せる人を見つけましょう。他の人の視点を聞くことで、新しい気づきが得られることもあります。

例1)
バウンダリーに関する悩みを、信頼できる友人や家族に打ち明ける。

例2)
アダルトチルドレンのグループワークなどに参加し、同じ悩みを持つ人たちと交流する。

例3)
カウンセリングやセラピーを受け、専門家のサポートを受ける。

3.7 焦らず、自分のペースで取り組む

境界線を築くのは、一朝一夕にはいきません。焦らず、自分のペースで少しずつ取り組むことが大切です。

小さな成功体験を積み重ねていきましょう。うまくいかないこともあるかもしれませんが、それも学びの一部だと考えて、前向きに取り組んでいきましょう。

これらのステップを意識しながら、少しずつ実践していくことで、健全な境界線を築いていくことができます。次の章では、具体的な場面での境界線の引き方について見ていきましょう。

4.境界線(バウンダリー)を実践するための具体的な例

4.境界線(バウンダリー)を実践するための具体的な例

ここでは、日常生活のさまざまな場面で、具体的にどのように境界線を引けばよいのか、例を挙げて説明していきます。

4.1 職場での境界線の引き方

職場では、仕事と私生活のバランスを保つことが重要です。

たとえば、上司から休日出勤を頼まれた場合、こう言ってみましょう。
「申し訳ありませんが、今週末は家族との大切な予定があるので、出勤は難しいです。代わりに、来週の平日に残業して対応することはできますが、いかがでしょうか。」

また、仕事の範囲を明確にすることも大切です。他の部署からの無理な依頼には・・・
「私の担当業務ではないのですが、〇〇さん(適切な担当者)なら詳しいと思います。」と、丁寧に断りつつ適切な人を紹介することができます。

4.2 家族関係での境界線の引き方

家族関係では、お互いの個性や生活を尊重することが大切です。

たとえば、親が頻繁に訪問してきて困っている場合・・・
「お母さん、あなたに会えるのはとてもうれしいわ。でも、私たち夫婦にも自分たちの時間が必要なの。月に1回くらいのペースで会うのはどうかしら?」

また、兄弟姉妹との金銭的な問題では・・・
「家族だからこそ、お金の貸し借りはしない方がいいと思うの。でも、他の形で力になれることがあれば教えてね。」

4.3 恋愛関係での境界線の引き方

恋愛関係では、お互いの個性を尊重しながら、適度な距離感を保つことが大切です。

たとえば、パートナーが頻繁に連絡してきて困っている場合・・・
「あなたと話すのは楽しいけど、仕事中はなかなか返信できないの。休憩時間に返信するようにするから、少し待ってくれる?」

また、趣味の時間を大切にしたい場合・・・
「土曜日は友達とのヨガクラスを楽しみにしているの。日曜日はあなたと過ごす時間にしたいわ。それでどう?」

4.4 友人関係での境界線の引き方

友人関係では、互いの生活や価値観を尊重しつつ、適度な距離感を保つことが大切です。

たとえば、頻繁に悩み相談をしてくる友人がいる場合・・・
「あなたの話を聞くのは大切だと思っているわ。でも、私にも自分の生活があるの。週に1回くらい、お茶しながら話すのはどうかしら?」

また、お金の貸し借りについて・・・
「友情は大切にしたいから、お金の貸し借りはしない方がいいと思うの。でも、他に力になれることがあれば教えてね。」

これらの例を参考に、自分の状況に合わせて境界線を引いていってください。最初は難しく感じるかもしれませんが、練習を重ねることで、自然に健全な境界線を引けるようになります。
次の章では、よくある質問と回答を見ていきましょう。

5.よくある質問と回答

5.よくある質問と回答

境界線(バウンダリー)について、皆さんからよく寄せられる質問とその回答をご紹介します。きっと皆さんも同じような疑問を持たれているのではないでしょうか。

5.1 境界線を引くと孤立しませんか?

これはとてもよくある心配です。でも、安心してください。
適切な境界線を引くことで、むしろ健全な人間関係を築くことができます。なぜなら、境界線を引くことで以下のようなことが起こるからです。

  • 自分を大切にする姿勢が、相手にも伝わります。
  • お互いの価値観や生活スタイルを尊重し合える関係になります。
  • 無理をしないので、長続きする関係を築けます。

たとえば、「今日は疲れているから、次の機会に会おう」と伝えることで、相手はあなたの状況を理解し、より思いやりのある関係が築けるでしょう。

5.2 相手を傷つけずに境界線を引くにはどうすればいいですか?

相手の気持ちを考えるのはとても大切なことです。相手を傷つけずに境界線を引くコツは、「自分の気持ち」に焦点を当てて伝えることです。
具体的には・・・

  • 「私はこう感じています」という「私メッセージ」を使う。
  • 感謝の気持ちを伝える。
  • 代替案を提案する。

たとえば、こんな風に伝えてみましょう。
「いつも誘ってくれてありがとう。でも、今週末は少し疲れていて、ゆっくり休みたいの。また来週なら一緒に出かけられそうだけど、どうかしら?」【A】

このように伝えれば、相手を責めることなく、自分の気持ちを伝えられます。

「私メッセージ(I メッセージ)」に対して、「あなたメッセージ(You メッセージ)」があります。比較するとわかりやすいので、【A】がもし「あなたメッセージ」だったらどうなるかを見てみましょう。

「あなたはのお誘い、なんてタイミング悪いの。あなたは、私が疲れていて休みたいのがわからないの?あなたは気を利かせて来週にしようとか思わないの?」

ちょっと大袈裟にしましたが、でもだいたいこんな感じです。

「あなたメッセージ」だと角がたつというか、相手を傷つけたり争いや喧嘩になったりしてしまうことがあるので、「私メッセージ」がとても有効的です。

5.3 長年の習慣を変えるのは難しいですか?

確かに、長年の習慣を変えるのは簡単ではありません。でも、少しずつ、一歩ずつ進んでいけば、必ず変われます。

大切なのは・・・

  • 小さな目標から始める。
  • 成功体験を積み重ねる。
  • 自分を褒める。
  • 失敗しても自分を責めない。

たとえば、最初は「週に1回、自分の気持ちを素直に伝える」という小さな目標から始めてみるのもいいですね。それができたら、自分を褒めてあげてください。

そして、周りの反応を観察してみてください。きっと、あなたが思っているよりも、周りの人はあなたの変化を肯定的に受け止めてくれるはずです。

変化には時間がかかりますが、諦めずに続けることが大切です。きっと、あなたの人生はより豊かで、自分らしいものになっていくでしょう。

さいごに:健全な境界線(バウンダリー)で、自分らしい人生を

ここまで、境界線(バウンダリー)について詳しく見てきました。最後に、大切なポイントをまとめてみましょう。

健全な境界線を築くことは、自分らしく生きるための大切な一歩です。境界線を意識し、実践することで、以下のような変化が期待できます。

  • 自己尊重の気持ちが高まります
  • 自分の気持ちや必要性を大切にすることで、自己肯定感が高まります。
  • より良い人間関係を築けます
  • お互いを尊重し合える、健全な関係性が生まれます。
  • ストレスが軽減されます
  • 無理をしたり、我慢したりすることが減るので、心身ともに楽になります。
  • 自分らしい人生を送れるようになります
  • 自分の価値観や目標に沿って、人生の選択ができるようになります。

境界線を引く練習は、最初は難しく感じるかもしれません。でも、焦らず、少しずつ実践していくことが大切です。小さな成功体験を積み重ねていけば、きっと大きな変化につながります。

また、完璧を目指す必要はありません。時には失敗することもあるでしょう。そんな時は、自分に優しく接し、また次頑張ろうと思えば良いのです。

あなたには、自分らしく生きる権利があります。自分の気持ちを大切にし、健全な境界線を築くことは、決して悪いことではありません。むしろ、それは自分自身と周りの人たちを大切にすることにつながるのです。

今日から、少しずつでも構いません。自分の気持ちに耳を傾け、境界線を意識してみてください。きっと、新しい自分との出会いがあるはずです。
あなたの、自分らしい素敵な人生を心から応援しています。