今回は、インナーチャイルドとは何か、についての記事です。「インナーチャイルド」という言葉、一度は耳にしたことがあるかもしれません。心の奥深くに存在する、子どものような純粋な自分。それは一体どんな存在で、いつ、誰が提唱したのでしょうか?

「インナーチャイルドって何か具体的に知りたい」

このような疑問に答えていきます。

★この記事の内容は・・・

  • インナーチャイルドとは何かがわかるようになります
  • インナーチャイルドの形成過程がわかるようになります
  • インナーチャイルドはいつ誰が作り出した概念かがわかるようになります

心理セラピストとして、これまでに1000人以上のインナーチャイルドを癒してきた私が、詳しく解説します。最後まで読んでいただけるとうれしいです。

インナーチャイルドとは?子ども時代の感情や記憶

インナーチャイルドとは?子ども時代の感情や記憶

初めてインナーチャイルドについて触れる時に知っておきたい2つのポイントをお伝えします。

1.インナーチャイルドとは?
2.インナーチャイルドの形成

1.インナーチャイルドとは?

「インナーチャイルド」とは、一般的に、人の心の中に存在すると考えられている、子ども時代の感情や記憶、そして経験を象徴する概念です。

これは、私たちが大人になっても、過去の経験、特に幼少期のものが、無意識のうちに私たちの感情や行動に影響を与え続けているという考えに基づいています。

具体的には、インナーチャイルドは、幼少期に特につらく、悲しいと感じた経験、あるいは満たされなかった欲求と関連付けられることが多いです。 特に、10歳頃までに経験した、身体的または精神的な暴力、あるいは家族関係の問題などが、トラウマとなってインナーチャイルドを形成する原因となることがあります。

インナーチャイルドは、必ずしもネガティブな側面だけを持つわけではありません。 私たちが生まれながらに持っている、喜び、好奇心、無邪気さといったポジティブな感情も、インナーチャイルドに含まれる場合があります。

しかし、「インナーチャイルドを癒す」という文脈においては、ネガティブな感情や経験を抱えた「傷ついたインナーチャイルド」を指すことがほとんどです。

インナーチャイルドは、あくまで概念であり、実際に人の心の中に物理的に存在するわけではありません。 しかし、自己理解を深め、より豊かな人生を送るためには、自分自身のインナーチャイルドと向き合い、理解していくことが大切です。

では、インナーチャイルドはどのように形成されていくのでしょうか?

2.インナーチャイルドの形成

インナーチャイルド、つまり「内なる子ども」は、主に10歳頃までの幼少期に形成されます。特に、この時期に経験したつらい出来事、満たされなかった欲求、そしてネガティブな感情が、冷凍保存されたかのように心の奥底に残り、インナーチャイルドが形作られていきます。

幼少期に抑圧された感情は、大人になっても無意識のうちに、当時の考え方や行動パターンを繰り返させる原因となるのです。

インナーチャイルドの形成に特に影響を与えるのが、親や保護者からの影響です。 幼少期に親から十分な愛情や受容を受けられなかった場合、自己肯定感が育たず、「自分は愛される価値がない」という感覚を持つようになります。

反対に、親から過度な期待やプレッシャーをかけられ続けると、完璧主義に陥り、常に緊張状態に置かれるようになることがあります。

また、親が「良い子」でいることを強要したり、感情を否定したりすると、子供は自分の感情を抑圧し、「良い子」を演じることを覚えていきます。

これらの経験が積み重なることで、インナーチャイルドは傷つき、大人になっても生きづらさを感じることになるのです。

虐待やネグレクトなどの分かりやすい傷だけでなく、一見普通の家庭環境でも、親の言動や態度によって、子供の心は傷つき、インナーチャイルドが形成される可能性があるということです。

では、インナーチャイルドという概念は、いつ誰が言い始めたのでしょうか。深掘りしていきます。

インナーチャイルドの起源

インナーチャイルドの起源

インナーチャイルドの起源ということで、この概念は、いつ誰が言い始めたことなのか、詳しく解説します。

インナーチャイルドはアメリカから伝わってきた概念

インナーチャイルドという言葉が広く知られるようになったのは、1980年代にアメリカから自己啓発の概念として入ってきたことがきっかけです。

アダルトチルドレンの回復を支援する中で、インナーチャイルドを癒すことの重要性が認識されるようになり、自己啓発の分野で注目されるようになりました。

カール・ユングの「内なる子ども」がはじまり

心理学者のカール・ユングが、大人になっても抱えている、子ども時代の感情や記憶のことを「内なる子ども」と表現したことが始まりだと言われています。

さらに、アメリカの教育者でありカウンセラーのジョン・ブラッドショーによって具体的に体系化し、インナーチャイルドという概念が定着したとも言われています。

彼は著書「インナーチャイルド – 本当のあなたを取り戻す方法」の中で、インナーチャイルド(内なる子ども)が傷ついていない、純粋で無垢な状態のことを「ワンダーチャイルド」と表現しています。子どもは本来、驚きと自発性に満ち、今を生きている存在であると述べています。

また、一般的にインナーチャイルドは「傷ついた子どもの心」を指すことが多いですが、傷の有無に関わらず、潜在意識を擬人化したものを「インナーチャイルド」と定義する専門家(心理カウンセラー、セラピスト等)もいます。

さいごに

インナーチャイルドは、私たちの心の奥深くに存在し、感情や行動に大きな影響を与えています。
インナーチャイルドを理解し、癒していくことは、自己成長やより良い人生を送るために非常に重要と言えるでしょう。