「会いたい」のに、つい試すような態度で彼を困らせてしまう…。関係が深まるほど素直になれず、そんな天邪鬼な自分に一人で傷ついていませんか?

その態度はあなたの性格の問題ではなく、本当はただ愛されたいと願う、あなたの「女性性」からのSOSかもしれません。 その心の声に気づけば、恋愛はもっと優しく、温かいものに変わるでしょう。

「こじらせ恋愛」を卒業し、もう頑張らなくても自然体で愛される関係を築きたいなら、ぜひ最後まで読んでください。

彼を試すような天邪鬼な言動を繰り返してしまう…

現在、付き合って1年になる彼がいるのですが、関係が深まるほど、自分でもよくわからない感情が湧き上がり、素直に気持ちを伝えられなくなってしまいます。

たとえば、先日も彼に「週末、会える?」と聞かれたとき、本当はすごく嬉しかったのに、
「どうせまたドタキャンするんじゃないの?」と返してしまいました。

その後、彼は少しムッとしたような態度を取って、そのまま会う話も流れてしまって…。
連絡も減り、「ああ、またやってしまった」と後悔して、自己嫌悪でいっぱいになりました。

私は昔から、本音と逆のことを言ってしまう癖があって、素直に「寂しい」とか「会いたい」と言うのが怖いんです。
「そう言ったら重いと思われるかも」「引かれるかも」と思って、つい試すような言動をしてしまいます。

頭ではわかってるんです。
でもそのときになると、なぜか体が反応してしまって…。
言った直後に「あ、またやっちゃった」と思うのに、止められません。

彼のことは大切に思っているし、こんな自分を変えたいと思っています。
だけど、「どうせまたうまくいかない」「私のせいで壊れる」と思うと、怖くて踏み出せません。

こんな私でも変われるのでしょうか。
できれば、山形さんのセッションで「素直になれない私」を理解し直したいと思っています。

突然の長文で失礼いたしました。
ご都合のよい日程があれば、初回相談のご案内をいただけたら幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。
綾子(仮名)

彼女は、恋愛関係における「素直になれなさ」に悩み、思い切ってメールを送ってきてくれました。
彼に対して本当は「寂しい」「会いたい」と思っているのに、つい反対のことを言ってしまう自分
そしてその直後に自己嫌悪に陥り、また傷つくという繰り返し。

彼女の言葉には、多くの人が共感する“心のパターン”が刻まれていました。

「本当は愛されたい。でも、その気持ちを見せるのが怖い」
「素直になることは、負けることのような気がしてしまう」
「言葉にした瞬間、拒絶されるんじゃないかって思う」

あなたも、こんなふうに感じたことはありませんか?
好きな人の前でだけ強がってしまったり、
本当は抱きしめてほしいのに、「放っておいて」と言ってしまったり。

心のどこかがチクリと反応したら、
この記事はあなた自身の“女性性”との関係を見直すヒントになるかもしれません。

今回は、綾子さんの相談をもとに、
なぜ私たちは素直になれないのか?
その奥にはどんな感情やエネルギーのバランスが隠れているのか?
Heartistの視点から、やさしく紐解いていきます。

なぜ、素直になれないのか?

〜天邪鬼な態度の正体〜

私たちはときどき、まるでわざと相手を困らせるかのように、「逆のことを言ってしまう」ことがあります。たとえば、寂しいのに「一人のほうが気楽」と言ってしまったり、本当は会いたいのに「忙しいでしょ、無理しないで」と突き放してしまったり。

こうした態度は、まさに「天邪鬼(あまのじゃく)」な振る舞い。でもそれは決して、性格がひねくれているからではありません。

その奥には、「本当は愛されたい」「でも傷つきたくない」――そんな切実な願いと防衛のパターンが潜んでいるのです。

人は、過去の経験の中で「素直になったら傷ついた」「気持ちを見せたら否定された」という体験をすると、

それ以降、無意識のうちに「本音を言う=危険」とインプットしてしまいます。

その結果、本音を感じた瞬間に、それを否定するような言葉や態度で上書きする癖がついてしまうのです。

たとえば・・・

本当は「会いたい」→ でも「また断られたらどうしよう」 → だから「どうせまた来れないんでしょ」と皮肉になる

このように、天邪鬼な言動は「傷つく前に先手を打つ」心の防衛反応として表れます。つまり、自分を守るために出ている“よろい”のようなものなのです。

けれども、表面に見えているその言動だけを見てしまうと、「わがまま」「ひねくれてる」「こじらせ女子」などというレッテルが貼られ、本当の願いは、誰にも見てもらえなくなってしまいます。

だからこそ大切なのは、その言葉の奥にある“本音”に耳を澄ますこと。

天邪鬼な態度の奥には、たいてい「本当は甘えたかった」「ただ一言、会いたいって言ってほしかった」という

繊細で、やわらかな女性性の声が眠っています。

それに気づいてあげることが、自分自身の内なるバランスを取り戻す第一歩になるんじゃないでしょうか。

女性性とは、「感じる力」「受け取る力」

〜不足するとどうなるか?〜

多くの人が普段あまり意識していない「女性性」というのは、
感情や感覚を感じる力、直感を信じる力、そして人や出来事をやわらかく受け取る力のことを指します。

女性性は、「Doing(行動)」よりも「Being(存在)」に軸を置いたエネルギーで、
がんばって何かを「する」ことよりも、いまここに“ある”自分を感じることに価値をおきます。

たとえば、

  • 朝起きたときに「今日やるべきこと」をすぐ考えるのではなく、まず深呼吸して自分の感覚を感じてみること。
  • 誰かに助けてもらったときに「申し訳ない」と思う前に、「ありがとう」と素直に受け取ること。
  • 悲しいときに涙をこらえるのではなく、「ああ、自分は今悲しいんだな」とその感情をそのまま感じてあげること。

こうした“小さな感じる”ことが、女性性を取り戻す第一歩になります。

ところが現代の社会では、スピード、成果、計画性といった“男性性的”な価値が求められる場面が多く、

多くの女性が無意識のうちに「感じること」よりも「頑張ること」「コントロールすること」に偏ってしまいがちです。

その結果、女性性が不足すると、次のような状態が起こりがちなんです。

  • 感情を感じることが怖くなる
  • 誰かに頼ることに罪悪感を覚える
  • 「柔らかい自分」を見せることに抵抗を感じる
  • 頑張っていないと不安になる

そして、「素直になれない」「試すような言動をしてしまう」というパターンも、まさにこの女性性不足のサインの一つです。

綾子さんのように、「会いたい」「寂しい」と言えないのは、
“感じること”そのものが、自分にとって不安や痛みを伴うものになっているから。

感じることを抑えて、頭で考えたり、相手を試したり、皮肉や強がりで埋めてしまうのは、

心の奥で「やわらかい私」を守ろうとしているからなのではないかと思います。

つまり、「素直になれない自分」がいるとき、
それは女性性が休んでいるだけかもしれません。

今必要なのは、そのやわらかな部分を否定するのではなく、
少しずつ感じること、受け取ることを自分に許していくこと。

それこそが、自分の中の女性性を回復する第一歩になります。

男性性過剰とのアンバランスがすれ違いを生む

ここまで「女性性が不足するとどうなるか?」を見てきましたが、実はもう一つ、私たちのバランスに影響を与えている要素があります。

それが「男性性の過剰」です。

男性性とは、「理性」「行動力」「計画性」「守る力」などを司るエネルギー。
一見すると頼もしく、自立した大人の女性として尊敬されるような特質でもあります。

けれども、この男性性に偏りすぎてしまうと、パートナーシップにおいて“ズレ”や“すれ違い”を生みやすくなってしまいます。

たとえば、

  • 「ちゃんとしなきゃ」と常に正しさや結果を求めてしまう
  • 相手に甘えることが「負け」や「依存」と感じてしまう
  • 感情よりも理屈で納得しようとし、感覚的な会話にストレスを感じる

これらはすべて、内側の男性性が強く働きすぎているサインです。

とくに恋愛や夫婦関係においては、「自立した私」でいようとするあまり、
本当は受け取りたい愛情や優しさを、うまく受け取れなくなってしまうという葛藤が起こりやすくなります。

「自分でできるから大丈夫」
「忙しいでしょ、気を遣わないで」

本当は、ただ「会いたい」と伝えたいだけなのに、
“できる女”としてのプライドや、「迷惑をかけたくない」という気遣いが、
その素直な気持ちを邪魔してしまいます。

こんな状態では、相手との間に「気持ちのキャッチボール」が起こりにくくなり、

自分も相手も、どこか孤独を感じる関係になっちゃいますよね。

だからこそ、女性性と男性性のバランスを整えることが、より深く、温かなパートナーシップを築くカギになると考えます。

どうしたら「素直な女性性」を取り戻せるか?

〜Heartist的ヒント〜

ここまで見てきたように、素直になれない言動の背景には、
「本音を感じることへの怖れ」や「愛されたい気持ちの防衛」が隠れています。

では、どうしたらその“女性性”をもう一度取り戻し、やわらかく、あたたかな自分として人と関われるようになるのでしょうか?

そのカギとなるのが、Heartist的アプローチ=ハートの声に気づく習慣です。

● 小さな習慣1:自分の気持ちを「感じてみる」

まずは、日常の中でふと立ち止まって、
「私は今、どんな気持ちだろう?」と自分に問いかけてみてください。

それはポジティブである必要も、言語化できる必要もありません。
ただ、胸のあたりやお腹の奥で、何かが動いているのを感じるだけで十分です。

● 小さな習慣2:「感じたことを、まず自分が聞いてあげる」

他人に伝える前に、自分が自分の本音に耳を傾けること。
「寂しいんだね」「ちょっと疲れてるよね」と、
自分自身にそっと声をかけてあげるだけでも、女性性はふわっと目覚め始めます。

● 小さな習慣3:「本音は、短く・シンプルに伝える」

自分の気持ちに気づいたら、それを人に伝えてみましょう。

でも、そのときに長く説明したり、理屈で武装しなくても大丈夫です。
ハートの声は、いつだってシンプル。

たとえば・・・

  • 「寂しかった」
  • 「会いたかった」
  • 「ありがとう、嬉しかった」

この一言が言えたとき、あなたの女性性はぐっと回復し、
相手とのつながりも、ぐっと近づくことができます。

● 「ひねくれた自分」も責めないで

天邪鬼な態度をとってしまった過去の自分も、
本当は“自分を守るため”に必死だっただけ。

その行動の奥にある「傷つきたくなかった」という思いに寄り添ってあげること。

それが、Heartistとしての第一歩なのです。


本音に耳を傾け、それをシンプルに伝える。
それは、ハートの音色を取り戻し、人生を豊かに彩っていく力になります。

さいごに:天邪鬼な自分にも、やさしさを

「素直になれない」「逆のことを言ってしまう」――
そんな自分を、あなたはどこかで責めてはいませんか?

でも、思い出してみてください。
その言動の奥には、たった一つの純粋な願いが隠れているのです。

「本当は、ただ愛されたかった」
「本当は、わかってほしかった」

天邪鬼な態度は、その願いを守るために生まれた“防衛”でした。
だからこそ、まずはそんな自分を責めるのではなく、やさしく抱きしめてあげてください。

女性性を取り戻すとは、何か特別なことをすることではありません。

「感じることを、自分に許す」
その一歩一歩が、あなたの内なる女性性を回復し、
ハートを開いていくプロセスなのです。

そして、Heartistとは――
自分の本音(=ハートの音色)を感じ、表現し、人生というキャンバスにその色を描いていく人。

たとえ不器用でも、途中でにじんでも、
その色こそがあなたの存在の証であり、誰にも真似できない唯一無二のものです。

どうか、自分の心にそっと耳を澄ませてみてください。
そして今日、ほんの少しでも「本音」に触れる時間を持ってみてください。

それがあなた自身を取り戻す、最初の一歩になればいいなと願っています。