心理学や精神世界、スピリチュアルにおいて、エゴは頻出するワードの一つです。しかし、この基礎的なワードに対して、明確に説明できる人はどれくらいいるでしょうか?
今回はその「エゴ」についてわかりやすく解説していきます。
エゴは自分を守る役割がある一方で、時に私たちの可能性を制限してしまう2つの側面を持っています。
しかし、エゴの「伸ばす」側面を上手に活用することで、人生の新たなステージへ進むための原動力となります。本来の自分の欲求に従い、「伸ばすエゴ」を使って夢や願望を実現していけば、かつて経験したことのない自己実現(セルフアクチュアリゼーション)の喜びを味わえるはずです。
この記事を読むことで、エゴと上手に付き合う方法がわかり、制限から解放され、本当の自分を取り戻すきっかけになるでしょう。
エゴとは何か?「伸ばすエゴ」と「囚われのエゴ」
ではまず、エゴとは何なのでしょうか?そして、そしてそのエゴを「伸ばすエゴ」と「囚われのエゴ」の2つに分類することで、エゴを理解しやすくしてみました。
エゴとは?
エゴとは、自分が時間をかけて構築してきた自分自身のイメージや、自分を隠している仮面のことを指します。
一般的にはエゴという言葉が、自分勝手な考え方や行動を表すものとして使われがちですが、実はそれだけではありません。
エゴは人間にとって必要不可欠なものであり、エゴがなければ人は生きていくことすらできません。 なぜなら、エゴはある種の防御機能を持っているからです。恐れや不安から自分を守るために、エゴは無意識のうちに形成されていきます。
しかし、エゴが過剰に働きすぎると、今度は可能性を制限してしまう側面があります。 つまり、エゴは人間にとって二つの側面を持っているのです。
ひとつは役立つ「伸ばすエゴ」、もうひとつは制限してしまう「囚われのエゴ」です。
この2つのエゴの違いを理解することが、本当の自分と向き合い、豊かな人生を手にする上で重要になってきます。
伸ばすエゴとは?
「伸ばすエゴ」とは、本能をバランス良くコントロールし、欲求や願望を実現するための手助けをしてくれるエゴのことを指します。
人間には様々な本能や欲求が湧き上がってきます。例えば、怒りの感情から相手を攻撃したり傷つけたい衝動に駆られたりします。しかし、その本能に従ってしまっては社会生活は送れません。
ここで「伸ばすエゴ」が働き、その本能をコントロールして適切な行動を導いてくれるのです。
逆に、新しいことにチャレンジしたい、夢を実現したいという前向きな欲求が出てきた時も、「伸ばすエゴ」がそれを実現に向けて後押ししてくれます。
つまり、「伸ばすエゴ」は健全な理性の役割を果たし、人間が文明社会の中で上手く生きていくためのエネルギーなのです。 自分の可能性を伸ばし、欲求を実現するためには、この「伸ばすエゴ」を上手に活用することが重要になります。
囚われのエゴとは?
「囚われのエゴ」とは、恐れをベースに構築されたセルフイメージのことを指します。 これは人間が幼少期から経験した恐怖体験によって形作られたエゴで、可能性を思い込みで制限してしまう側面があります。
幼少期は様々な体験をしながら、自分の価値観や人格が形作られていく大切な時期です。しかしその過程で、「あの時あんなことがあったから、こうした方がいい」と無意識のうちに判断し、自分の可能性を自ら狭めてしまうことがあります。
例えば、「あの時笑われたから、目立った行動は控えよう」「あの時怒られたから、自分の意見は言わない方がいい」など、過去の辛い出来事から無意識に自分を守ろうとする防御態勢を組んでしまうのです。
このように、「囚われのエゴ」は自己防衛の裏返しとして、自分の可能性を制限してしまう役割を持っています。 本来アクセルを踏むべきタイミングでブレーキを踏んでしまい、夢の実現や自己actualtion(発揮)を妨げかねません。
人生の質を高め、豊かに生きるためには、この「囚われのエゴ」の存在に気づき、上手に手綱を握ることが不可欠なのです。
経験談:ホノルルマラソン
最近、私は「ホノルルマラソンに出場したい」という欲求が湧いてきました。 日の出前から走り出し、綺麗な海を眺めながら走り、そこから昇る朝日を拝める素晴らしいマラソン大会です。夢のようなランニング体験ができそうです。
この欲求が湧いてきた事例をもとに、「囚われのエゴ」と「伸ばすエゴ」を深掘りしていきましょう。
囚われのエゴがはたらくと・・・
「ホノルルマラソンに出場したい」。この欲求に対して「囚われのエゴ」がはたらくと、簡単には実現できません。
「マラソンなんて時間の無駄だ」
「走るぐらいなら仕事に集中した方がいい」
「お金をそんな無駄なことに使うなんて馬鹿げている」
このように「囚われのエゴ」は、過去の価値観に捉われた思い込みから、新しいチャレンジを制限してしまいます。 結果的に欲求を実現できずに、未練が残ってしまうでしょう。
伸ばすエゴがはたらくと・・・
一方で、この欲求に対して「伸ばすエゴ」がはたらくと、ホノルルマラソンへの道のりは大きく開けます。
「ホノルルマラソン楽しそう!いつ募集が始まるのかな?」
「どのくらいの費用がかかりそうだろう?旅費やホテル代も調べておこう」
「休暇はこの時期に取れば良さそうだね」
このように「伸ばすエゴ」は、欲求を冷静に受け入れ、実現に向けた具体的な行動を促してくれます。
さらに、「伸ばすエゴ」は本能的な欲求をコントロールする役割も担っています。たとえマラソン当日に怪我をしてしまったとしても、「でも無理して完走する必要はない。次の機会に先送りしよう」と状況判断できる理性があります。
つまり「伸ばすエゴ」は、夢や目標に向かって前進力を生み出すとともに、時にはブレーキ役になって安全運転をサポートしてくれるのです。
まとめ
エゴについて「伸ばすエゴ」と「囚われのエゴ」の2つの側面があることをお伝えしてきました。
「囚われのエゴ」は、過去の経験から生まれた恐れに基づいて形作られ、我々の可能性を制限してしまう側面があります。 一方で、「伸ばすエゴ」は人間が社会の中で上手く生きていくための健全な理性の役割を果たしています。
人生をより豊かにするためには、「囚われのエゴ」にとらわれすぎず、「伸ばすエゴ」を活用して、本来の自分の欲求や願望を実現していくことが重要です。
エゴとうまく付き合い、自分自身を制限することなく可能性を最大限に伸ばすことが、充実した人生を送る秘訣なのです。
一人ひとりがエゴの両側面を理解し、上手に活用できるようになれば、夢へと前進し、さらにその先の自己実現(セルフアクチュアリゼーション)へと踏み出すことができるはずです。
この記事を読んで、あなた自身のエゴについて考えるきっかけになれば幸いです。エゴと上手に付き合い、本当の自分を取り戻す一歩を踏み出しましょう。